脳科学者の茂木健一郎氏(56)が、医学部の不正入試をめぐる問題について「日本の大学の劣化のあまりにも情けなく、そして愚かな症状の一つ」と厳しく批判した。

茂木氏は11日、「もはや、日本の大学は大学ではないのかもしれない」とのタイトルでブログを更新。相次いで明らかになる医学部の不正入試問題に触れ、「関係者の言い訳が見苦しい。どんな詭弁を弄しても、女性や『浪人生』を差別する合理的な根拠などない」と指摘した。

「大学は学問の府であり、人類がこれからどちらに向かうのか、その方向性や価値観を研究し、示す場であるはずだ。これがもちろん理想論であることは確かだが、そのような方向性を目指していたからこそ、大学は尊敬され、大学教授はオピニオンリーダーだったのだ」と茂木氏。入試で女子や浪人生を不利に扱っていた医学部の不正を「日本の大学の劣化のあまりにも情けなく、そして愚かな症状の一つといえるだろう」と切り捨て、「お医者さんたちなのだから、自分たちの症状を冷静に判断して、必要な治療をしてほしい。まさに医者の不養生だ」と皮肉を込めた。