東京・新宿ゴールデン街の外れ、吉本興業東京本社の斜め向かいに、観客席40ほどの小ぶりの「新宿ゴールデン街劇場」がある。先週末にワハハ本舗の喰始氏(70)がプロデュースする体感ライブ「気になるミュージシャンW3(ワンダースリー)+1」に行ってきた。

W3のメンバーはポカスカジャンのタマ伸也(50)、ギターアーティストなにわのてつ(48)、三味線プレーヤー浅野祥(28)。ここに「+1」としてサックスプレーヤー渡辺貞夫のバックなどを務めているセネガル人のンジャセ・ニャンがアフリカの太鼓・ジャンベを携えて加わった。

タマは11月に最新アルバム「入りますCD2」をリリースして全国ツアーの真っ最中。アルバムの中身は、忌野清志郎さん、吉幾三、玉置浩二などに、タマが入り込んでその人の新曲を作ってしまっている。明らかに清志郎さん風の「OH!BABY!愛しあってるかい?」や、吉幾三風の「娘酒」などが入っている。

なにわのてつは、会社員が本業で本人いわく「高額納税者です」とのこと。華麗なギターテクニックと大阪生まれの笑いのセンスで、ワハハ本舗に誘われて続けているが、妻の強硬な反対にあっているという。

浅野は04年に14歳で、津軽三味線全国大会で史上最年少優勝。そこから3連覇して殿堂入り。本来なら格調高い芸風であるべきなのだが、07年のデビュー記念ライブを喰氏の演出で行ったのが運の尽き(笑い)。タマ、なにわのてつとトリオを組んで「おてもやん」「ジングルベル」などをアレンジして、コミックバンドのような抱腹絶倒のライブを繰り広げた。

タマは「この3人で日本武道館のステージに立つことが目標です」と宣言。ポカスカジャンのメンバーとして03年に発売した、あのアイスキャンディー「ガリガリ君」のCMソングは誰でも知ってる超有名曲。タマの勢いに引きずられるように、なにわのてつと浅野も武道館を目指すことに同意した。

異色トリオが、武道館で演奏する日が楽しみだ。