250億円を超える興行収入を記録したアニメ映画「君の名は。」(16年)の新海誠監督(45)が13日、都内で、新作「天気の子」(来年7月19日公開)の製作発表会見を行った。家出少年の帆高と、祈るだけで空を晴れにできる能力を持つ陽菜(ひな)の切ない恋物語。2人を演じる醍醐虎汰朗(18)森七菜(17)も出席した。

テーマはタイトル通り、天気だ。離島から東京に出てきた帆高と、空を晴れにできる能力を持つ陽菜の物語で、2人が自分たちの生き方を選択する姿が描かれる。

新海監督は「『君の名は。』の次に何をやろうかと思った時、誰もが『これは自分の話なんだ』と思えるものをと思った。天気は僕たちの遠い空の出来事なのに、自分たちの心配事として受け止めている」と説明した。

ポスタービジュアルも公開された。少女が積乱雲の上部に向かって進んでいるような光景だ。新海監督は、「君の-」のプロモーションで多忙を極めていた時、ながめていた空からビジュアルの着想を得たことを明かした。「消耗する夏で、空をながめていた。積乱雲は成長すると横に広がって、上は広い草原のようになっている。雲の上でゆっくりできたらと思った」。

前作に続くヒットへの期待は大きいが、新海監督は「プレッシャーはないです」と自然体。「ドエンターテインメントです。笑えるし、泣けるし、ワクワクするし、知的好奇心も刺激される。楽しめる映画になるはず」と自信を見せた。

声を務める醍醐と森は、約2000人のオーディションで選ばれた。醍醐は「ワクワクしている気持ちが大きい。精いっぱい頑張りたい」、森は「合格、と聞いた時は自分の耳を初めて疑いました」と、初々しさを見せた。

すでに世界各国からの配給オファーがあり、川村元気プロデューサーは「全世界で公開されます。世界で受け入れられるテーマ」と話した。企画は昨年2月にスタート、現在は作画作業中で、来年7月完成予定。