俳優佐野史郎(63)とAKB48武藤十夢(24)がダブル主演する映画「おかあさんの被爆ピアノ」(20年公開)の制作発表が17日、都内で行われた。

今年2月に66歳で亡くなった大杉漣さんが主演する予定だったが、佐野が引き継いで主演する。五藤利弘監督(50)監督は「09年頃から大杉漣さんにお願いしていました。佐野さんは大好きな俳優で、本当は違う役で出てもらおうと思っていましたが、代わりを考えた時に佐野さんでいこうと思いました」と説明した。

広島で被爆したピアノを自ら運転してトラックで運び、日本全国でコンサートを開いているピアノ調律師を演じる佐野は「責任重大。大杉さんとは共演も多かったし、お互い音楽が好きで、2人で『漣&史郎』というユニットを組んで演奏したこともある。似たような役も多かったし、お互い仲良くして、腹を割って話し合える俳優仲間だった。漣さんの命を受けとめ、引き継ぎ、次に伝えていくのがこの映画。心して作らなくてはならない映画があるんだなという思いです。漣さん、見ててください」と呼び掛けた。

映画初主演の武藤は、被爆ピアノコンサートの存在を知り、被爆2世だった母、音楽講師だった祖母、広島のことを知るために、調律師と同行してルーツを探る役。「ピアノは3歳から弾いてますけど、弾く場面があるのでしょうか。弾く場面があったら頑張ります」と笑顔を見せた。