シンガー・ソングライターCharm(チャーム)によるソロユニット「THE CHARM PARK(ザ・チャーム・パーク)」が、大阪市内で日刊スポーツの取材に答え、デビューアルバム「Timeless Imperfections」(12月5日発売)をPRした。

心地よいオーガニックなサウンドが印象的なチャームは、ASIAN KUNG-FU GENERATION、大橋トリオ、南波志帆ら今をときめくアーティストと共同作業を行うなど、その緻密なメロディーセンスとアレンジ力は折り紙付き。米ロサンゼルスで育ち、ボストンの名門バークリー音楽大学で才能を開花させた。卒業後に関係者の目にとまり10年に来日、他レーベルから1度目のデビューを果たしたが、「当時は日本に来たばかりで、言われるままに作業していた。勉強になったけど自分の好きな音楽を自由に作る感じではなかった」と不完全燃焼だった。

しかしその後の日本でのインディーズ活動で再び頭角を現す。「アーティストのサポートやCM曲制作など忙しかった」と振り返るように、さまざまな交流と日本語の習得で音楽の幅が広がり、歌、ソングライティング、演奏をほぼ1人で行う姿は、「新世代ポップマエストロ」と呼ばれるまでになった。

満を持してリリースしたフルアルバムは、2枚組17曲の大作に仕上がった。「ディスク1にはジャンルレスでダイナミックな楽曲、ディスク2には情緒的で美しいオーガニックな楽曲を集めました」。アルバム制作にあたり、重視したのは「全体の流れと聴きやすさ」と、随所にこだわり抜いた。例えば、曲名の『くちづけ』。平仮名、カタカナ、漢字など全ての表記から「優しい感じがいい」と平仮名を採用。一方で『三十一』という名の楽曲は「漢字がしっくり来た」と、細部まで自分のセンスで作り上げた。

タイトルは「色あせない未完成のモノ」という意味で、自身の「失敗を恐れず、未完成でも前に進みたい」という願いを込めた。「私は影響を受けやすい方だと思うので、色々吸収したいし、流れに任せて進化したいです。ただ、自分のこだわりを捨てるような、変な進化はしたくないかな」。アルバム初回盤には「D.I.Y. 顔パズル」ステッカーが封入されていて、ジャケット写真の未完成な部分を購入者自身が完成できる仕掛けになっている。

実は母方の祖母が大阪で昔暮らしていた。「だから、この街は親近感が沸きますね」。リラックスした表情からは計り知れない、叙情的かつダイナミックなスケールの音世界を感じさせる。

アルバムを引っ提げてのライブツアーは1月14日仙台、18日大阪、20日福岡、25日愛知、27日東京と全国を縦断する。詳細は公式サイト(https://thecharmpark.com/)を参照。