宝塚歌劇団の小川友次理事長が15日、兵庫県宝塚市の同劇団で、2019年の年頭会見を行い、105周年の今年は「温故創作」をテーマに掲げた。

14年の100周年以降、客足は伸び続け、昨年(年間)は宝塚大劇場の稼働率が過去最多102・7%を記録するなどし、東京宝塚劇場や全国ツアー、宝塚バウホールに加え、ライブビューイングも含めて、のべで過去最多の300万人以上を動員した。

105年の歴史で紡いできた名作、大作に加え、新作、それだけではなく「過去の作品を掘り起こすことも大事」とし、名作を現代風にアレンジ。「リボーンさせて、上演していきたい。(調子が)いいときほど、チャレンジしていかないといけない」と話した。

星組トップ紅ゆずるが主演している今年の正月公演「霧深きエルベのほとり」は、36年ぶりの再演。演出の上田久美子氏には「新たな色を加えて」演出するように伝えていたという。

「温故知新」に「創作」「創生」を加えたのが、小川理事長が言う「温故創作」。昨年はパワハラなど、問題が噴出したスポーツ界にも触れ、鈴木大地スポーツ庁長官が打ち出した「適切なスポーツ指導」に共感。鈴木長官とは意見が合致したといい「品格、謙虚、誠実さは、どこにおいても大事」とあらためて感じたことを強調した。

「これはまさしく、春日野(八千代)先生がおっしゃったこと。宝塚の原点でもありまして、あらためて、そう(劇団スタッフや生徒に)新年のあいさつで伝えました」

また、25年の大阪万博招致が決まり「万博もありますから、何か、お手伝いをできることがあれば」と協力する方針を明かした。