「うる星やつら」「めぞん一刻」などで知られる漫画家高橋留美子さん(61)が、「漫画界のカンヌ」と称される欧州最大規模の祭典「アングレーム国際漫画祭」で、漫画の発展に大きく貢献したとして功労賞「グランプリ」に選ばれた。23日、主催者が発表した。日本人のグランプリは15年の大友克洋さんに続き2人目。

主催者は高橋さんの作風を「出るくいは打たれる(日本)社会で、アウトサイダーや変人を前面に押し出し、彼らにもチャンスがあることを示そうとこだわった」と指摘。多くの作品がコメディーと見せかけて極めて進歩主義的だと評価した。高橋さんは出版社を通じ「このたびは栄誉ある賞をありがとうございます。今後の創作活動の励みになります」とコメントした。

高橋さんは約40年で計約200巻を出版、世界中で2億部以上を売り上げた。「うる星やつら」は地球の高校生に恋した宇宙人少女ラムを描いたラブコメディー。「めぞん一刻」は、下宿の女性管理人と就職に悩む青年を中心としたラブストーリー。作品には、性別の悩みや就職、霊感など、社会的問題を抱えながらもユーモラスに描かれたキャラクターが多く登場する。

漫画祭はフランス南西部アングレームで24~27日に開かれ、今回が第46回。

◆高橋留美子 1957年(昭32)10月10日、新潟県生まれ。78年週刊少年サンデー「勝手なやつら」で連載デビュー。累計部数最多作品は、水をかぶると女になる格闘家が主人公の「らんま1/2」で5300万部。他に「犬夜叉」「境界のRINNE」など。アニメ化も多数