オダギリジョー(42)の長編初監督映画「ある船頭の話」(9月公開)の主人公を、柄本明(70)が演じることが29日、分かった。オダギリ監督が脚本も手掛けた作品で、橋の建設が進む山村の川岸の小屋に住む船頭トイチの前に1人の少女が現れ、トイチの人生が大きく変わっていく物語。柄本にとっては11年ぶりの主演作となる。

取材に応じた柄本は「夏の撮影は暑い。きつかったです。大変な撮影でした。朝から晩まで出っぱなしなんて初めて」と撮影を振り返った。監督経験もあるが、オダギリ監督について「とてもやさしい監督でしたね。やっぱり、大変だったと思いますよ」と話した。

昨夏の撮影は新潟県内などで40日間かけて行われたが、撮影に集中し、1度も東京に戻らなかった。昨年10月27日に原発不明がんで亡くなった妻で女優角替和枝さん(享年64)が闘病中だった。「やはりそのことは気になりますからね」と振り返った。今は落ち着いたか聞かれると「そんなことはないですよ」としながらも「仕事があることが、逆に良かったんじゃないかな。何かすることがあればね、気もまぎれるだろうし」と初めて胸中を語った。

映画は11日に撮了し、3月に完成予定。トイチの元に遊びに来る村人・源三を村上虹郎(21)が演じる。