女優蒼井優(33)と段田安則(62)が優れた舞台公演に贈られる「第53回紀伊国屋演劇賞」の個人賞を受賞し、30日、都内の贈呈式に出席した。

蒼井は「信じられないです。賞を頂いていいか悩みました。まだできないこともたくさんあるし。ただ、次の舞台にはこの課題をクリアしようと、ひたすらやってきました」とあいさつした。また「舞台の先輩を見ていて、すてきだなと思うのは、真っすぐ舞台に立っている。その姿があまりに格好良く、いつか私も真っすぐ舞台に、武装せず、ただ立つことができるようになりたいと思っていました。今回の受賞の対象になった舞台では、少しだけですが、真っすぐ立つことのにおいを感じることができました」と語った。

最後は「演劇とか映像を分けず、腹をくくって舞台に立てという意味の自分への戒めとして受賞することにしました。1秒でも早く先輩の見ている風景に近づけるように、ひたすら誠実に、清潔に、まじめに進みます」とした。

一方の段田は「昨年は1年で5本の芝居をやりました。仕事のない俳優もいる中、5本もやってありがたい年だった。そこで頭に下手な鉄砲も数打ちゃ当たるという文字が浮かんだ」と笑顔であいさつした。

蒼井はパルコプロデュース公演「アンチゴーヌ」、新国立劇場公演「スカイライト」の演技が、段田は新国立劇場公演「夢の裂け目」、シス・カンパニー公演「出口なし」、Bunkamuraシアターコクーン公演「民衆の敵」の演技が評価された。