狂言師野村萬斎(52)主演映画「七つの会議」(福沢克雄監督)の初日舞台あいさつが1日、都内で行われ、野村や香川照之(53)及川光博(49)片岡愛之助(46)らが登壇した。

「半沢直樹」シリーズや、「下町ロケット」などで知られる池井戸潤氏原作の実写化作品。会議で寝てばかりのグータラ社員を演じた野村は、息詰まる会議シーンの連続だったせいか、息をひそめるように座っている観客たちに、「息、吸ってます? 私も試写を初めて見たときに、息が詰まって、終わってから『ふぅ…』と吐いた覚えがあります」と共感していた。

野村がサラリーマンを演じるのは初めて。「池井戸さんと福沢監督のコンビもゴールデンコンビで、ファンが集ってらっしゃって、目が肥えてらっしゃる。前作との比較も含めて、緊張した数カ月でした」と、反応が心配だったという。

クランクイン2日目に、いきなり会議のシーンがあったという。テンション高く怒鳴り散らす役どころの香川は、「初日にちょっと撮って、2日目いよいよあのシーンでした。ご存じのように、萬斎さんは寝てるだけなので、僕がやらなきゃと思った」と気合が入っていたことを明かした。さらに、大好きなボクシングにかけて「試合も1ラウンド目は様子を見るパターンもある。でも、『七つの会議』は1ラウンドから行かないといけないと思った。パワーを8割方、使おうと。萬斎さんに安心して寝ていただけるように」と笑わせた。

サラリーマン以外に演じてみたい役を聞かれると、野村は「グータラでない役がいいかな。時々、悪役めいたスナイパーをやってほしいとリクエストをいただくんです」と答えた。すると及川が「意外性はないかな。宇宙人はどうかな? 頭にピンポン球が付いているような。まとっているオーラが一般的じゃないから」と提案。すると香川も「弱いフェンシング部を立て直す選手とかはどうかな? 顔は見えないですけどね」と続いた。結局、普通ではない役ばかりが浮上し、3人のやりとりを福沢監督も苦笑いで見つめていた。

ほか吉田羊、朝倉あき、北大路欣也が登壇した。