脚本家三谷幸喜氏(57)の新作舞台「愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」が、9月1日から東京・世田谷パブリックシアターで上演されることが決まり、主演に俳優柿澤勇人(31)を起用することが4日、分かった。柿澤は若き日の名探偵シャーロック・ホームズを演じる。

小学生時代から原作や関連書籍を読みあさり、「劇作家で最もホームズに詳しい」と自負する三谷氏が、ライフワークを自身初めて舞台化する。昨年、柿澤が出演したミュージカル「メリー・ポピンズ」を見た際、「僕のシャーロック・ホームズがここにいる」と直感で舞台化を決めた。「風変わりで、天真らんまんで、天才肌で…(中略)、心に闇を秘めている名探偵を演じられるのは、若いころのレオナルド・ディカプリオか、今の柿澤さん」と、アカデミー主演男優と並び称するほれ込みようだった。

驚いたのは柿澤本人だ。劇団四季出身で、ミュージカルや舞台では城田優らと並ぶ若手の実力派だが、大抜てきに「何度か聞き直しました。三谷さんと直接、お話しさせていただいて実感が湧きました」とビックリ。三谷氏から「君はとても孤独で寂しそうに見えたから、それがホームズにはまる」と口説かれ、「三谷さんの目に僕がどう映り、役に反映されるのか楽しみ」と意欲を見せた。

舞台は19世紀のロンドン。ホームズと、佐藤二朗(49)演じる助手のワトソンが、初めての事件に遭遇するまでを描く。柿澤と飲み友達の佐藤は「愛すべき『あほう』、柿澤と芝居をするのが楽しみ」。事件の依頼人で、富豪の令嬢ヴァイオレットを演じる広瀬アリス(24)は「三谷さんの演出でお芝居をできることは、役者人生でとても大きなこと。たくさん勉強したい」と胸をときめかせた。

◆柿澤勇人(かきざわ・はやと)1987年(昭62)10月12日、神奈川県生まれ。劇団四季時代には、ミュージカル「ライオン・キング」の主演も務めた。退団後の11年、日本テレビ系「ピースボート」でドラマ初出演、「カイジ2」で映画初出演。15年の「デスノート The Musical」では主人公の夜神月を演じるなど、ミュージカルや舞台を中心に活躍中。