女優白須慶子(33)が出演する演劇ユニット「金の蜥蜴」の舞台「荊姫-いばらひめ-」が13日、東京・築地のブディストホールで初日を迎えた。

能楽の「鉄輪(かなわ)」が題材。平安時代に男に捨てられた姫が恨みを募らせて鬼となり、陰陽師(おんみょうじ)の安倍晴明に退治される。能楽にテーマを求めながら、場面によってはコメディータッチでセリフは現代語。能楽の入門編としても楽しい舞台だ。

白須が演じるのは、天皇に使える陰陽師と、民に芸能を見せる声聞師(しょうもんじ)の、両方の性質を持つ五土家(いつちけ)の跡取りの姫・踏子(とうこ)。初恋を奪われ、家のしきたりにとらわれ、自分の思い通りにならない立場を嘆く踏子は、男に恨みを持つ鬼につけ込まれるヒロインだ。

重さ4キロにもなる十二単(ひとえ)風の衣装で熱演した白須は「私の役自体はシリアスなんですが、お芝居全体は能楽の世界をコメディータッチで描いているので、分かりやすいですね。でも、重い衣装を背負って軽快に動くのは大変。まあ、慣れですかね」と笑った。

金の蜥蜴の公演出演は2回目。「能の世界を現代風にアレンジして描いている。時代劇といってもせいぜい戦国時代くらいまでがほとんどなので、平安時代を演じられるのは勉強になります」と話している。

舞台、映画で活躍するが、今後の目標は「時代劇、コメディー、シリアスといろいろなお芝居がしたいですね。特にシリアスな時代劇、『大岡越前』をやってみたい。あと、何かを習得しなくちゃできない役をやってみたい。殺陣もですし、スポーツとかも。プロフェッショナルとしての技が問われる役を演じていきたい」と話している。

17日まで。