人気グループ「いきものがかり」や有名俳優が所属する芸能事務所「キューブ」(東京都)が、社員に裁量労働制を不適切に適用し是正勧告を受けた問題で、元社員の20代男性が14日、東京都内で記者会見し「自分の時間や人生を犠牲にしても(見合う)賃金がもらえなかった。この業界で同じように働いている人が声が上げられるようになってほしい」と訴えた。

男性は2016年4月にキューブの関連会社に当たる大阪の芸能事務所に採用され、同年10月からキューブに出向、所属する音楽アーティストのアシスタントマネジャーを務めていた。最長で月の残業が200時間を超えることもあったが、残業代はほとんど出なかったとしている。

男性は「自分でスケジュールを決められず、上司から言われたら行かざるを得なかった」と話し、仕事の進め方に裁量がなかったと明かした。過重労働を上司に訴えても「この業界では当たり前だ。辞めてもらってかまわない」と言われたという。

裁量制は実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ労使で定めた時間を働いたとみなす制度。男性が加入する「裁量労働制ユニオン」の坂倉昇平代表は「1日何時間働いても、みなし時間分しか働いたことにならない。合法的な『定額働かせ放題』になる恐れがある」と指摘している。(共同)