歌舞伎俳優尾上菊之助(41)の長男寺嶋和史君(5)が、5月の「團菊祭五月大歌舞伎」で、7代目尾上丑之助を名乗って初舞台を踏む。尾上菊五郎(76)中村吉右衛門(74)という2人の人間国宝を祖父に持つというスーパーサラブレッドだ。

そういえば、2歳の初お目見えの舞台は、恥ずかしくて顔を隠しっぱなしだった。先月の初舞台に向けての会見では堂々として、しかも報道陣を笑わせるという余裕もあって、本当に驚いた。

初舞台以来、度胸を付けるため舞台を何度か経験し、友達の誕生会でもせりふを披露するなどしてきた。菊之助によると「最近はあまり恥ずかしがらなくなって。私の方が緊張しています」と言うほど。

何より心ひかれたのは、初舞台の演目「絵本牛若丸」のポスター写真。かつらと衣装、化粧をして牛若丸になった和史君の、りりしくて、かっこいいこと。普段はほんわか系だが、ここまで変わるとは。早く舞台で見たいなあ、と期待が高まった。

会見の2日前に撮ったというこの写真。報道陣に「似合ってますね」と声を掛けられると「似合ってます。ありがとうございます」と答えて、会見の場をなごませた。なごませるだけでなく、質問の際に「初舞台おめでとうございます」と言われると、そのたびに「ありがとうございます」と丁寧に頭を下げて返事をするところも印象的だった。

「團菊祭五月大歌舞伎」は東京・歌舞伎座で5月3日に初日を迎える。すでに和史君はせりふの稽古や、日本舞踊できれいに形を見せられるような稽古をしているという。菊五郎、菊之助に加え、吉右衛門も出演してこの上ない豪華な顔ぶれになる。