宝塚音楽学校105期生の卒業式が1日、兵庫県宝塚市の同校で行われ、スポーツキャスター松岡修造(51)の長女で、阪急東宝グループ創業者・小林一三氏のやしゃご、松岡恵さんら40人が出席し、恵さんは11番目に名前を呼ばれた。

「好きな言葉」として「心に炎」を挙げるなど、父譲りの熱さを持つ恵さんは、2年間、遅刻、欠課、見学、早退もなく、全ての授業に出席した「特別皆勤賞」を受賞。年度によっては0人の年もある同賞だが、今年は恵さんを含めて、40人中、受賞者は24人。最近では、例のない多さで、105期生の結束力がうかがえる。

式典でも、角和夫理事長は「今年は奇跡が起こった。昨年は6人、一昨年は10人だった特別皆勤賞が半数以上の24人もいた。すばらしい」と絶賛。小林公一校長も「40人それぞれに個性があって、魅力的で、1つにまとまっている期だなと思った」とたたえた。

恵さんの父修造のいとこにあたる小林校長は、105期生が入学した一昨年春、校長に就任した。「2年前、緊張しながら(105期生)入学式で祝辞を述べたのを覚えています」と感慨深げにあいさつした。

この日、修造は仕事のため式に出席できなかったが、公式ブログにコメントを掲載した。「その(今後の)道は決して楽なものではないと思いますが、小林一三さんのお言葉『朗らかに、清く、正しく、美しく』をモットーに、娘自身の好きな言葉『心に炎』を保ちながら、日々精進していってくれることを願っています」とエールを送った。

父の思いが届いたのか、恵さんは一瞬、目元をハンカチでぬぐった以外はほぼ、満面笑み。式典終了後、後輩の予科生からブーケを贈られるシーンでも、同期卒業生が涙する中、恵さんは笑顔で同期や後輩と談笑する様子が目立った。

修造譲りの恵さんの熱さは、105期生全員に伝わったようで、その後の同期生による写真撮影では、例年にない掛け声も上がった。40人が声をそろえて「やる気 元気 105期!」。例年だと、粛々と進む撮影中も40人からは笑い声があふれた。

105期生の首席は、娘役志望のハーバート真唯(まい)さんで「小林一三賞」を受賞。ハーバートさんは卒業生総代として「1つの目標に向かって築き上げた同期の絆は、友情を越えて宝物といえます。この奇跡のような絆を信じて、夢の舞台へ向かっていきたい」などと答辞を述べた。

105期生40人は、4月19日に宝塚大劇場で開幕する宙組公演「オーシャンズ11」で初舞台を踏む。今後は初舞台で披露するラインダンスの稽古に励む。