俳優別所哲也(53)が「第14回渡辺晋賞」を受賞し、2日、都内で授賞式に出席した。同賞は故渡辺晋さんが創業した芸能事務所「渡辺プロダクション」の創業50周年を機に、エンターテインメント界に大きく貢献したプロデューサーを顕彰する賞として06年に創設された。

別所は、90年、映画「クライシス2050」でハリウッドデビューを飾り、映画・テレビ・舞台など幅広く活躍。アメリカでのショートフィルムとの出会いから99年から日本初となる国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」を主宰している。同映画祭は04年に、米アカデミー賞公認映画祭に認定、05年に開催された「愛・地球博」では、政府出展事業の統括プロデューサーを務めるなど俳優だけでなくプロデューサーとしても活躍している。

また、企業のブランディング価値を高めるための、ブランデッドムービーにも注力し、デジタル映像事業のプロデューサーとしても活動している。

これらの活動をはじめとするエンターテインメントへの貢献から第14回渡辺晋賞が送られた。

式では、主催の一般財団法人渡辺音楽文化フォーラム・渡辺美佐理事長からトロフィーと副賞100万円が授与された。選考委員の三枝成彰氏は、受賞理由について、「現代は短く凝縮したものが良い時代になった、“俳句”のようなものが長い寿命を持ち始めたということ。まさに別所さんが時代に早く気付き、ショートショートフィルムフェスティバルを行っていた。」と語った。

受賞した別所は「とても光栄です。渡辺晋さんは日本のエンターテインメントをおつくりになられた大先輩であり、俳優をしながらショートショートフィルムフェスティバルというお祭りをつくり、プロデュースすることがいかに難しく大変で、あわせて大変喜ばしいことかを実感しております」と語り、「評価を頂けた理由は“時代”だと思っています。平成が終わり、新しい元号がまもなくスタートしますが、現代はインターネットの時代になりメディアウィンドウといわれているものが変化しています。渡辺晋さんが映画からTVへと進化する新しい時代をとらえたように、音楽配信や動画配信など時代はまた動いているんだなと映画祭を通して感じております。プロデューサーとしてだけでなく俳優としても一層頑張っていきたいです。」と語った。