日本テレビ系連続ドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」(土曜午後10時00分)の9日放送の第8話視聴率が9・5%(関東地区)だったことが11日、ビデオリサーチの調べで分かった。

第1話は8・3%、第2話は8・7%、第3話は9・4%、第4話は8・3%、第5話は9・0%、第6話は9・4%、第7話は9・5%で、前話の最高値に並んだ。

同作は有罪率ほぼ100%の日本の裁判で、冤罪(えんざい)を晴らすために執念と情熱、科学を武器に、坂口健太郎演じる弁護士・黒川拓が逆転劇に挑む。黒川に振り回される新人弁護士・和倉楓を川口春奈、黒川に力を貸す科学者の秋保恭一郎を藤木直人が演じる。保駿堂法律事務所別府長治所長を杉本哲太、黒川を見守るベテラン弁護士湯布院和人を志賀広太郎、パラリーガルの城崎穂香を趣里。黒川の父で最高検察庁の黒川真次長検事を演じるのは草刈正雄。黒川に情報提供するテレビ日本の有馬聡子を市川実日子が演じる。

第8話では、死刑囚の式根大充(片岡鶴太郎)から手紙を受けた聡子が、黒川に、式根の再審請求の弁護を求める。式根はがんを患い、余命わずかだった。

事件は、95年(平7)、イトエ電機の社宅で行われたクリスマスパーティーで、シャンパンに混入されたシアン化カリウムで6人が毒殺された。中には式根の妻もいた。式根は「あの日から私は死んだも同然」という。

パーティーでシャンパンを用意していた式根。自白は警察に強要されたものと主張したが、榛名由美(酒井美紀)ら目撃者たちは、式根の自白後は、式根に不利な証言をしていた。毒物の瓶は、沼地に捨てられていた。

黒川は式根の娘、松ケ下玲子(星野真里)に会うが、玲子は「死刑の確定した日に、私の中で父は死んだ」と、協力を拒む。だが、秋保の調査で、式根が警察を現場で案内する写真に、捏造(ねつぞう)があることが明らかになる。黒川らは、警察の捜査に疑念を抱く。

再審請求審が決定する。だが、玲子は事務所を訪れ聡子を平手打ち。「中途半端な正義感で人のことを振り回さないで」と泣きながら訴える。

式根は拘置所で倒れる。黒川が面会すると、娘の10歳のころの妄想に入ってしまう拘禁反応が起きていた。その様子を見た黒川は、幼なじみが自殺した東央大学生殺人事件を回想し、やるせない思いを爆発させる。

過去に、式根から聡子に送られた手紙を見ると、毒物が捨てられていた沼地に、お化けが出るという記述があった。過去に、式根を担当していた弁護士は、事件当時、沼地に泣いている女の子がいたという情報をつかんでいた。

秋保の検証で、見ている人間自身の像が大きく映る「ブロッケン現象」と判明。沼地で泣いていた女の子は由美と分かる。

由美は母から瓶を沼地に捨ててくるよう指示されたと明かし、玲子に土下座して謝罪した。由美は、母が暴力を振るう父を殺すため、毒を混入させたと告白した。

再審請求審で、由美は母の犯行を明かす。黒川は裁判所に対し、由美が式根と玲子のために証言したことを主張し、「式根大充さんは無実」と訴える。

しかし証拠不十分で、再審請求は棄却された。玲子は式根に面会。「信じることができなくてごめんなさい」と謝った玲子と、「苦労かけたな」とわびる式根。2人は最後に、親子の絆を取り戻した。ただ黒川は、司法に対する怒りは、おさまらなかった、という内容だった。