日本テレビ系連続ドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」(土曜午後10時00分)の16日放送の第9話視聴率が8・9%(関東地区)だったことが18日、ビデオリサーチの調べで分かった。

第1話は8・3%、第2話は8・7%、第3話は9・4%、第4話は8・3%、第5話は9・0%、第6話は9・4%、第7話は9・5%、第8話は9・5%で、4話以来の8%台だった。

同作は有罪率ほぼ100%の日本の裁判で、冤罪(えんざい)を晴らすために執念と情熱、科学を武器に、坂口健太郎演じる弁護士・黒川拓が逆転劇に挑む。黒川に振り回される新人弁護士・和倉楓を川口春奈、黒川に力を貸す科学者の秋保恭一郎を藤木直人が演じる。

前話で再審請求を棄却され、落ち込む黒川。第9話で楓は、黒川が、11年前に秋保の妹を殺した罪で収監中に自殺した幼なじみの浅間の冤罪(えんざい)をはらすため、死後再審を考えており、その難しさに悩んでいることを知る。

そのころ、都内で起きた女子大生の殺人事件について、テレビ日本の有馬聡子(市川実日子)が11年前の事件と「似た傷」があるとの情報を持ってくる。警察は女子大生の京香をストーカーしていたとして富士田(坂本真)を逮捕。黒川と楓が接見すると、富士田は盗撮は認めるが、殺人は無罪を主張する。

警察は、富士田が殺人現場の河川敷にいたことをSNSにあげていたことを状況証拠としていたが、黒川は疑問を持つ。11年前も、浅間は現場写真をSNSにあげていた。

黒川が現場に残り、楓が事務所に戻ると、黒川の母、麗(榊原郁恵)が訪ねてきていた。楓を気に入っている麗は、黒川を支えてほしいと託す。

秋保は黒川の父、最高検察庁の黒川真次長検事(草刈正雄)に、検察庁直轄の捜査機関への参加を打診される。黒川に力を貸してきた秋保は心が揺れる。

浅間の無実を証明できるか、黒川の悩みは続いていた。富士田が無罪なら11年前の真犯人につながる可能性もあったその時、茨城で新たな女性の遺体が発見され、富士田が殺人容疑で再逮捕される。被害者の家出少女、山代奈々は京香より先に殺されており、そのころ富士田は茨城に帰省していた。

富士田と奈々の接点がない「悪魔の証明」のため、黒川と楓らは茨城へ。現場付近の山中のレモン畑を見た黒川は、気温が高くレモンが生育する状況を見てひらめく。

黒川は秋保と聡子とともに検証。現場は「斜面温暖帯」という気象現象が起きており、山の中腹でも気温が麓より高かった。警察の死亡推定日は、麓の気温から想定した山中の気温で出していたが、実際の気温はもっと高く、死亡日はもっと後であるとの検証結果を出す。その場合、富士田はすでに逮捕されており、アリバイが成立することになった。

だが、検証を通じ、秋保の態度がおかしい。秋保は黒川に、父の次長検事からオファーを受けていることを告げる。さらに「お前は死体の冷たさを知らない」と、被害者遺族の苦しみを訴え、黒川を突き放す。

裁判でも、家出少女の亜里沙が、警察の死亡推定日より後に奈々とあったことを証言。だが検察の指宿(小市慢太郎)は、亜里沙の援助交際疑惑などを持ちだし、証言の信ぴょう性に疑念を呈す。

秋保の言葉、裁判の苦戦に苦しむ黒川。その夜、酒につきあった楓は「1人になりたい」という黒川を残し帰路へ。その時聡子から真犯人につながる情報の連絡が来た。楓が戻ると、そこには黒川をナイフで狙う男の姿があった。黒川を救おうとした楓は、自らが刺されてしまう、という内容だった。