シンガー・ソングライター森恵(34)が大阪市内で日刊スポーツの取材に答え、品川グローリアチャペルでの昨年のコンサートの模様を完全収録した映像作品「MEGUMI MORI Concert at SHINAGAWA GLORIA CHAPEL-SINGING VOICE 2017-」(3月6日発売、CD付ブルーレイ版・DVD版)をPRした。

森は地元広島・福山で弾き語りを始め、10年にシングル「キミ」でメジャーデビューを果たした。老舗ギターブランド「フェンダー」や「ギルドギターズ」と契約を結ぶほど卓越した演奏技術を誇るアコースティックギターの音色に、伸びやかで圧倒的なボーカルを重ねて聴く者を魅了している。昨春には作詞家の松井五郎と作詞を共作したアルバム「1985」をリリース、自身初の全曲セルフプロデュースに挑戦して、高い評価を受けた。松井との共同作業は「言葉のリフレインの変化や接続詞の奥深さなど勉強になった」と、経験値を増やした。

「楽曲を作るからには、やはりライブで聴かせたい。いろいろなことを感じて欲しい」とツアーを続けて来たが、ここ最近は、ギター以外の楽器を弾いたり、ギターを置いてステージに立ったり、弾き語り以外のスタイルも増えた。「音楽ジャンルや空間の雰囲気、バンド編成に合わせて、音楽のアレンジの幅が広がった感じです」と。中でも、美術館や国重要文化財の建物など、その土地で愛される場所で歌うことも多い。「例えば教会はゴスペルが歌われるように音響が素晴らしい。でもキャパはそんなに大きいものではないので、ライブに来られなかった方からの品川グローリアチャペルのライブが観たいという要望も多く、それならとスタッフの皆さんも力を入れてくださり今回の映像作品を作りました」。

この映像作品リリースのために書き下ろしたという新譜「桜がさね」も松井と作詞を共作した。「実は春の曲は少ないのですが、この歌は迷わずに完成した」と自身のサクラソングが生まれた。ライブ映像は全18曲、セットのライブ音源CDには全13曲を収録した。

また、インディーズ時代の09年3月に世に出し、1度完売したEP「そばに」が10周年記念エディションとして、映像作品と同時リリースされた。ファンの間で再発売を待望されていた名盤で、「帰り道」など16曲を含む2枚組アルバムとしてよみがえった。

10年前の楽曲「そばに」の人気が依然根強い理由として、「私も弾き語りでさまざまなステージに立つ中で不安や孤独を感じることもあった。聴いてくれる人も日々の生活できっと心の中で独り闘っていることがあって、そばにいてくれる人、いて欲しい人が思い描きやすい曲なのかもしれないですね」と分析する。

このアルバムと映像作品からの新曲「桜がさね」を引っ提げて、10月の沖縄公演まで全国ツアーを開催。平成が終わり、新元号となる2つの時代をまたいで、歌い続ける。日程詳細は公式サイト(https://www.multiformatstudio.jp/morimegumi/)を参照。