乃木坂46衛藤美彩(26)が19日、東京・両国国技館で卒業ソロコンサートを開催した。乃木坂46の興行としては初のソロコンサート。生バンドをバックに持ち前の歌唱力を披露し、ファン8000人から歓声を浴びた。アンコールでは乃木坂46のメンバーたちも登場し、涙を見せながら送り出された。今月末で卒業し、芸能活動は続ける。

冒頭、「両国国技館! 盛り上がる準備出来てるか~?」と呼びかけ、会場を沸かせた。2曲目の「おいでシャンプー」では、「2階スタンド、枡席、ステージバック、アリーナ…騒げ~!!」とアピール。超満員となった会場で、衛藤が好きな赤いペンライトの光が揺れた。

序盤のトークで「リハーサルでは全然実感がなかったんですけど、皆さん、すごい盛り上がりですね!」と笑顔を見せた。「今日は時間が許す限り、たくさん歌を歌っていきたいです」とあいさつ。バンドメンバーも紹介した。3期生の楽曲「思い出ファースト」の途中で歌詞を間違えると、「歌詞間違えちゃった~。ごめん、3期生のみんな! (秋元)真夏とか(桜井)玲香とかとカラオケ行くときは完璧だったんだけどな…」と照れ笑い。ファンから「かわいい~」と声援を受けると、「かわいいとかじゃなくて、ダメなの、それは。めっちゃ練習したんだけどね~」と言って、笑いを誘った。

終盤の「サヨナラの意味」では、会場が赤と緑のペンライトでいっぱいになった。緑は、同シングルを最後に引退した衛藤と同い年の橋本奈々未さん(26)の色だ。歌い終えた衛藤は「緑も、入れてくれたんですね。ありがとうございます。このドレスを来て今の歌を歌って、ようやく本当に乃木坂を卒業するんだなっていう実感が湧いてきました」と笑った。

会場を見上げて、「こんな、お相撲さんが見守ってくれているような、神聖な場所でやらせていただけているのも奇跡だし、ソロコンサートは、大きく掲げてはいなかったですけど、夢の1つでした。スタッフさんには感謝しかありません。ありがとうございます」と話した。

11年8月、乃木坂46に1期生として加入した。「乃木坂で約8年間、活動してきました。好きになってくださった時期は関係ないですけど、私を語る上では、やっぱり(選抜に入れず)アンダーだった時期の話を」と切り出した。「つらかった、悔しかった、って言うのも好きじゃないですけど、ちゃんとお話ししたいです。7年前の私は、まさかこんな場所で卒業ソロコンサートができると思っていなかったです。苦しかったですし、本気で何度も辞めようと思ったんですけど…」と言うと、言葉を詰まらせ、涙をぬぐった。「やっぱり、ファンの皆さんが握手会でたくさん支えてくれたから、今の私があると思っています!」と感謝した。

客席から「ありがとう~!」という声が飛ぶと、衛藤も「私がありがとうと言いたいです」と感謝した。「やっぱり、選抜、アンダーと立ち位置がつけられてしまうことは苦しいことではあるけど、ポジションが全てじゃないし、今いる位置が自分のポジションだと思って走り続けて来たから、そのことに誇りも持っています」と表情を引き締めた。「そんな私の思いを。私は参加してない楽曲なんですけど、聞いてください」と続けて、本編ラストの「アンダー」を歌った。

アンコールでは、生田絵梨花(22)と桜井玲香(24)が登場。3人のユニット曲「雲になればいい」を歌った。さらに衛藤が「悲しみの忘れ方」を歌い出すと、舞台袖から1期生、2期生、3期生とメンバーたちが次々と登場。歌い終えた衛藤は「みんなぁ~! ありがとう~」と涙。「ソロコンサートだから、って思ってだんだけど、みんなの顔を見ると、やっぱりみんなと一緒にここまで来たんだなって感じました」と笑った。

衛藤をセンターにして全員で「乃木坂の詩」を歌った。その後、1人1人が衛藤と抱き合い、言葉をかけていった。同い年の白石麻衣(26)は、衛藤のシャツのズレを直すと、胸にタッチ。ファンから「ヒュ~」と歓声を浴びた。ラストに抱きついた秋元真夏(25)は、衛藤からのリクエストを受けて「美彩のハートに、ズッキュン!」と、ハートを射貫く必殺技を披露。衛藤が後ろによろめくと、秋元は「今までで一番いい食らい方だったよ」と絶賛した。

衛藤が「乃木坂って、最高ですね!」とうなずいた後、4月17日発売のアルバム「今が思い出になるまで」に収録される衛藤のソロ曲「もし君がいなければ」も初披露した。さらに、ダブルアンコールも巻き起こり、再びステージ登場した衛藤は「ロマンスのスタート」を歌った。

「何が正しいのかは分からないですけど、この先卒業して、自分が正しいと思った道に進んでいくので、皆さんも、同じ気持ちの方がいたら、新しい一歩を踏み出してほしいです。これからも私は個人的に活動を続けていくので、皆さんも私の愛した乃木坂を愛してくれると幸せです。私も、愛し続けます! 今日は遅い時間までありがとうございました。本当に、本当に、本当に、ありがとうございました!」

大歓声を浴び、何度も客席に手を振って、ステージから去っていった。