関西演芸協会会長の桂福団治(78)が17日、大阪・法善寺庫裏で、「法善寺寄席100回記念興行」(5月21日午後3時開演、大阪・法善寺庫裏)の記者会見に出席した。

09年6月15日に第1回が開催された法善寺寄席は、02年と03年に起きた2度の法善寺周辺火災からの、復興の感謝を伝えたいという思いから関西演芸協会主催で始まった。福団治は「法善寺さまのお力添えのおかげで100回続けられた。我々、関西演芸協会は270名ほどに会員が増えており、一生懸命に頑張らせていただいております。これもなによりも法善寺さまのおかげ。心から感謝いたしております」とあいさつした。

第1回寄席には福団治や会見に同席した「シンデレラエキスプレス」の渡辺裕薫(50)や、福団治の師匠である故3代目桂春団治さんらが出演した。当時はビールケースの上に布団を敷いて、3代目春団治さんが落語を披露していたなど、懐かしい思い出話にも花が咲いた。約60人の収容という小規模で行われる寄席を渡辺は「演者の息づかいが聞こえる近さで見ることができる寄席」と、魅力を表現した。

3代目春団治さんを始め、横山ホットブラザーズや庄司敏江・玲児ら大御所も出演してきた法善寺寄席。福団治はこれまでを振り返り「芸人は場所を選び、好き嫌いがあるが、ここの法善寺寄席だけは大看板の人から一番底辺の人まで、誰ひとりとしてそういう思いの人はいない。皆が『出たい』『出してくれ』と。誰ひとりとして(出演を)拒否する人はおらず、皆が出たがった」。小さな寄席ながら、多くの芸人から愛されてきた場所、それが法善寺だったと語った。

かつては数々の寄席や劇場があった大阪・ミナミを演芸の拠点と考える福団治は「ここ(法善寺)を起点に外国の人も興味を持っていただく。もっとここから発信する方法を今、いろいろと協議している最中。100回を起点に糧として、新しい寄席をこれからやっていきたい」と意気込んだ。

記念興行には福団治、平和ラッパ・梅乃ハッパ、シンデレラエキスプレス、桂福丸が出演する。