戦後初の上方定席として、06年に大阪天満宮敷地内に開館した天満天神繁昌亭(大阪市北区)が工事のため6月の1カ月休館し、7月にリニューアル・オープンすることになり、26日、同劇場内で、上方落語協会の笑福亭仁智会長(66)らが取材に応じた。

仁智によると、昨年11月ごろから、06年の開館時に寄付を募り天井に掲げていた和紙のちょうちんが破損するなどし、これまでに4個が傷んだため、天井から外したという。

「消防局に聞くと、ちょうちんの耐用年数は12~13年ぐらい。ちょうどギリギリなので、外壁の工事や事務所の場所なども含めて、一気に改修しようとなった」と説明した。

和紙ちょうちんは字の書き入れを職人が行うが、1人年間200個程度が限度で、おりしも改元により、職人の手数が不足。現在、1200個ほどあるちょうちんを800個ほどに収め、新たなちょうちんは和紙よりも耐用年数が長い仕様にする。改修後は、劇場入り口付近に名盤を掲げるなどの対応を検討している。

座席は一昨年9月にリニューアルしており従来のまま、楽屋については昨夏の台風被害で漏水した影響で手入れをしており、大幅な工事予定はないという。

7月の再開を機に、座席は全席指定とし、昼食後に観覧のケースが多い昼席の開演を午後1時から同2時に遅らせることも決めた。

また、7月1~31日は「新装開場」記念とし、桂福団治、桂米団治、桂文珍らから、襲名したばかりの桂小文枝、4代目桂春団治もそろい、昼席を上演。協会の桂文也繁昌亭管理委員長(67)は「協会員総出演で、13年目の新しい旅立ちを祝いたい」と言い、初日の1日は館前で振る舞い酒なども用意する。

新装開場月間の7月昼席では、連日、来場客のうち1人に1万円をプレゼント、10人に特製てぬぐいをプレゼントする企画もある。