俳優味方良介(26)が“超人”ぶりを見せつけている。4月24日、東京・新宿の紀伊国屋ホールで、舞台「銀幕の果てに」が初日を迎えた。

官房長官の「村雨」役を力強く、大胆に演じている。つかこうへいさん原作の同作は、せりふも多く、構成も難解だが、味方が口を大きく開いて独特のリズムで刻む言葉の数々は、聞き取りやすく、見る者の頭にすっと入ってくる。

驚くべきは、初日の3日前の4月21日まで、同所で主演舞台「熱海殺人事件 LAST GENERATION 46」に出演していたことだ。「熱海殺人事件」もつかこうへいさんの原作で、早口言葉のような膨大な量のせりふとスピーディーな掛け合いが随所に織り込まれている。観客をのけぞらせるような叫び声を披露することも。時には放送禁止用語も飛び出すような異色の舞台で、圧倒的な存在感を発揮していた。

味方は、NON STYLE石田明(39)とともに、カロリーを激しく消費する舞台に、立て続けに出演する。「銀幕の果てに」の初日には、「つい3日くらい前までここで別の舞台をやっていたのですが。逆に今はもう覚醒状態です。僕と石田さんの超人ぶりを見てほしいです」と笑っていた。

上演前、「銀幕の果てに」「熱海殺人事件」の稽古は、基本的に隣接するスタジオで、交互に行われたという。味方と石田ら複数のキャストがどちらにも出演し、2作品とも岡村俊一氏が演出を手がけているためだ。中でも味方の負担は特に大きく、肉体的にも精神的にも非常にハードなはずだが、一切後ろ向きなそぶりを見せないという。

「熱海殺人事件」で共演した元欅坂46今泉佑唯(20)は「味方さんは、バケモノですよ」と舌を巻く。「銀幕の果てに」で共演した劇団4ドル50セント岡田帆乃佳(23)も「味方さん、すごすぎますよね。人間離れしてます」と目を丸くする。岡村氏も「あれはすごいですよ。完全に覚醒していますね。超人ですよ。今、彼は日本最強じゃないですかね」と褒めちぎった。

体力的にきつくないのか聞かれると、味方は「むしろ、どんどん調子が良くなっていっています!」と笑って、カッと両目を開いた。時にメキシコ人にたとえられる彫りの深い整ったルックスと、高いところから脳に降り注ぐような声量、アクションもこなす身のこなし。まだ26歳。ミュージカル「テニスの王子様」や「薄桜鬼」シリーズなどに出演経験もあるが、今後はさらに活躍の場を広げていき、より多くの観客に“超人”ぶりを見せつけていきそうだ。【横山慧】