喜多村緑郎(50)河合雪之丞(48)山村紅葉(58)篠井(ささい)英介(60)が7日、都内で、「六月花形新派公演『夜の蝶』」(6月6~28日、東京・三越劇場)の取材会に出席した。

夜の世界で火花を散らす女たちを描いた作品で、新派の女形である河合と、現代演劇の女形、篠井が銀座のマダムを演じる。

河合が「役に入り込むため、篠井さんとは稽古場から一切口をきかないようにしようと思う」と言うと、新派初参加の篠井は「雪之丞さん、仲良くしてくださいよ」と応じて笑わせた。

原作は川口松太郎による同名小説で、実在のクラブのマダム2人を描いた。これまで、映画や舞台になっているが、女形と女優という組み合わせだった。

女形同士の競演に、河合は「新しい『夜の蝶』をご覧いただけるのでは」、篠井も「演劇好きの方にとってはおもしろみがあると思います」と自信を見せた。

篠井演じるマダムの妹分を演じる山村は、母で作家の山村美紗さんに、よく祇園に連れて行ってもらったそうで、銀座にも通い慣れている。「やっと役に生かされます。ただ飲んでいたんじゃないよ、って」。

政治家役の喜多村は、篠井とのラブシーンもあるという。「令和に変わって初めての新派公演。戦後の元気な日本を元気に新派でやりたい」と話した。