倍賞千恵子(77)藤竜也(77)らが出演する映画「初恋 お父さん、チビがいなくなりました」(小林聖太■(■は郎の旧字体)監督)の初日舞台あいさつが10日、都内で行われた。

昨年3月の撮影終了後、出演していた星由里子さん(享年74)が昨年5月に死去した。倍賞は共演について「東宝(星)、日活(藤)、松竹という感じだったんですよね。あの撮影からひと月くらい。ものすごくびっくりしました。撮影中にそんな風に見えなかった。いつも背筋をきちんとしていて、折々に鏡を見て。ああ、スターの人ってこうあるべきなんだな、と思いました」と追悼した。

藤は「初めてでした、お会いしたの。『ああ、若大将の星さんだ』というのが最初の印象。かつての大スターの女優さんとご一緒するときはミーハーになります。うれしいな、長生きして良かったなって」と回想。「印象に残っているのは、星さんのセリフで『何、そんなカッコ付けてるの』って、効きましたね。キャリアから来る重さがありました」としのんだ。

映画で藤は頑固な父親役。「撮影中ずっと、日本中の奥様方にに嫌われるようにやってくださいと、監督に終始言われながら演じました」。ただ倍賞は、結婚50年を迎えた藤と妻の芦川いづみ(83)との関係について「藤さんは奥様にとても優しくて。家が近所で時々お食事するんですけど、いつも『ありがとう』っておっしゃっている。とてもすてきだなと思います」と愛妻家ぶりを明かした。

市川実日子、小市慢太郎、西田尚美、小林監督も登壇した。