歌手さだまさし(67)が15日、東京・タワーレコード渋谷で、キャリア初となる一日店長イベントを行った。

昨年10月25日でデビュー45周年。令和を迎えて「(音楽的に)守っていきたい部分と伝えていきたい部分とあります。若いミュージシャンと飲んだりするようになったんですけど、音楽の話ばっかり。刺激もあります」。交友相手としてナオト・インティライミ(39)、森山直太朗(43)、ゆず北川悠仁(42)、「湘南の風」若旦那(43)、寺岡呼人(51)、レキシ(45)、音楽グループPlay.Gooseらの名をあげた。

82歳の先輩の存在も刺激だ。「加山(雄三)さんがいるから(僕らが)目立たない~。あそこまで元気でいられるのかな、と思うと、スゴイかっこいいと思いますね」と話した。

20年ぶりセルフカバーアルバム「新自分風土記1&2」発売を記念して行われた同イベント。さだはCDでの発売について「もう古いやり方なんだろうなと分かっているんですけど、こういう方法を残しておかないと忘れちゃうんです。今レコードを作ろうと思っても、もう忘れちゃってる。機械がないし、アナログの音を取るテープがほとんど枯渇状態」と指摘。「僕らの世代って、キャッシュレスと言われても『頼りなくない』って。モノがあると安心するんですよね」と訴えた。

セルフカバーならではの難しさもあったという。45年の活動を経て、解釈の変化を感じた曲もあり「『償い』っていう曲、あえて入れたんですけど、1音下げて、叫ばないでため息のように歌おうと」。ただ、「皆さんご存じの歌が多いんで大変でした。僕のモノでもないんでね、お客さんのモノなんで。難しいです」と、イメージを壊さないための努力も明かした。

さだの「一日店長」名刺お渡し会には500人、トークイベントには抽選で選ばれた300人が訪れた。トークイベントで、さだはギター1本で「雨やどり」「精霊流し」「生生流転」を披露した。