俳優池田純矢(26)が31日、大阪市内で、脚本と演出を担当し、出演もする舞台「絶唱サロメ」(10月5~13日、東京・紀伊国屋ホール、10月26~27日、大阪・サンケイホールブリーゼ)の取材会に出席した。

19世紀末に英国で活躍したオスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」が原案。大阪出身の池田は「演劇作品を見に行くと、お客さんはどうしても固まってしまう。もっとラフに見てほしい。吉本新喜劇を見に行くと、一番前に陣取っているおばちゃんたちがお弁当を広げている。そういう楽しみ方があってもいい」。演劇は娯楽であるべき-。そんな持論を語りながら、今作も吉本新喜劇のように気楽に楽しんでほしいと願った。

池田は06年、史上最年少で「JUNON・スーパーボーイコンテスト」準グランプリを獲得。11年には戦隊物「海賊戦隊ゴーカイジャー」のゴーカイシルバー役で人気を博した。

小学校のときから本が好きで、図書館で乱読した。趣味は裁判を傍聴すること。10代のころ、役作りのために見たのがきっかけ。「裁判所ってすごいラフなんですよ。好きな法廷に入って傍聴できる。あるとき、赤の他人の離婚裁判を傍聴した。『修羅場や!』って。傍聴席には僕が1人だけ。見ず知らずの少年がにやにやしている。言い争いで泣いている奥さんが僕のほうを振り返って一言。『あなた、だれなんですか!』。いや裁判っておもしろいな」。

15年にエンターテインメントの「エン」とアクト(芝居)を意味する「ゲキ」を合わせた「エン*ゲキ」の第1弾「君との距離は100億光年」で演出家デビュー。今作はエン*ゲキ第4弾となる。

主演はロックバンド「SOPHIA」のボーカルで俳優の松岡充(47)。脚本・演出家の池田は「松岡さんのために書いた本。松岡さんにやってもらえなければ、世に出ることはなかった」と話すほど、思い入れが強い。

いまも時間があれば、裁判を傍聴するが、将来的に「演劇にする構想がある。密室劇なので演劇にしやすい。森友学園? 籠池さんの役はめちゃめちゃおもしろい」と大阪人らしく、最後はオチをつけた。