今日4日から始まる「歯と口の健康週間」に先立ち、歯科医師や歯科業界各社が連携した「ブレス・ハザードプロジェクト」が、「口臭白書2019」を発表した。全国の20~69歳の男女を各都道府県で100人ずつ、計4700人を対象に、どのような口臭ケアを講じているか調査した。

歯磨きやデンタルフロスなど自分で行うケアだけでなく、口臭予防を目的とした通院なども聞いた。これを都道府県別で分析すると、もっとも口臭ケアの意識が高いのは徳島県、2位は茨城県、3位は高知県と続いた。この理由をエリアマーケティングや県民性研究の第一人者である矢野新一氏に分析してもらった。

同氏は1位徳島県について「阿波商人と呼ばれる商気が強く、世間の動向に敏感で無駄なお金は使わないという県民性があります。病気がひどくなって治療にお金や時間をかけるより早めの対策が得と考え、予防する習慣が身についたと考えられます」と分析した。2位茨城県は「生産、消費量の多い納豆を食べているので、口臭への意識も高くなっていきやすいのでしょう」と話していた。

加えて、首都圏に住む20~69歳の男女214人に対しブレスチェッカーを使って口臭を計測する調査も実施した。「においを感じるレベル」の測定値50以上を記録したのは全体の13・1%。男性8・3%に対し女性は倍以上の17・9%と、女性の方が口臭が深刻という結果が出た。また、1日の歯磨き回数が2回の人よりも3回以上の人が高い測定値になるなど、歯磨き回数と口臭が無関係であることが分かった。歯磨きの回数だけでは口臭ケアにならないと考えられる。

歯科医の若林健史氏は「適切な口臭ケアを実現するには、家族や恋人など周囲のサポートも大切です。また、歯磨きはどうしても2割の磨き残しが出てしまうため、セルフケアだけで口臭はなくなりません。歯科医によるプロケアが必要です」と語った。歯科医で歯石除去やクリーニングなどのメンテナンス、歯磨きなどの指導を受けると効果は高いという。さて、あなたの口臭は大丈夫?