3年ぶりのミニアルバム「KEIJIHOLIC」(ケイジホリック)を今日5日に発売するシンガー・ソングライター川島ケイジがこのほど、日刊スポーツの取材に応えた。

-「KEIJIHOLIC」(ケイジ中毒)というタイトルには、どんな意味が込められていますか

川島 まさしくそのままで、聞いてくださったみなさんにケイジ中毒になってもらおうと。それが全国のみなさんに広まっていけばうれしいという思いを込めています。

-アルバムは3年ぶりになります

川島 ずいぶんと長いこと待たせてしまいました。

-その間はどんな思いでしたか

川島 常にアルバムは作りたいと思っていました。今でも、もっともっと聞いてもらいたい楽曲はいっぱいあるので、フルアルバムを出したい気持ちもあります。でも今回、スタッフやファンのみなさん、プロデューサーやエンジニアのみなさんなどのいろんな思いが重なって、1つの響きになってアルバムになっていく様を感じられたので、ようやく形にできてたなという思いです。

-この3年間、世界遺産ライブなど精力的にライブをこなしてきました。今回のアルバムレコーディングを通して、アーティストとして成長できたところは

川島 ライブでの伝え方との違いですね。街中でふと聞こえてきた時、その歌声、曲に耳を傾けてもらえるような歌い方や楽曲、サウンドを追求しました。だから、ライブとはまた違ったアレンジになっています。

-ライブはビジュアルから伝えられることもありますが、CDは音だけの勝負

川島 そうですね。だから、その辺はすごく勉強になったし、まだまだ追求していく価値のあるものだと思います。今まではバンドサウンドにこだわった部分があったけど、今回は生音とか、デジタルサウンドも存分に取り入れています。これも新たな挑戦でした。自分的にはすごく気に入っています。

-アルバムを通して、起承転結がしっかりしている印象です

川島 そうですね。自分の中ではすごくバランスを考えました。

-1曲目の「紅い光」はケイジさんらしいアップテンポでキャッチーなメロディーが印象的です

川島 10年以上前、「7th」というロックバンド時代に作った楽曲なんです。この曲がアルバムの1曲目を飾るのも、自分の中では感慨深いものがあります。当時のバンドメンバーの思いを、一緒に連れてこれた気がします。

-2曲目の「clapotis」は

川島 プロデューサーの谷口尚久さんが作ってくれた曲で、自分が作詞しました。フランス語で「波の音」の意味ですが、男性の心の揺れや心情を表したタイトルです。歌詞にも「離れるな」など、今までに自分になかった力強い言葉を使っています。

-3曲目ですが、今回カバー曲で井上陽水さんの「リバーサイド ホテル」を選んでいますが

川島 今まで自分の楽曲は優しい楽曲が多かったのですが、今回のコンセプトとして、いい人で終わらず、大人のセクシーな部分を前面に出して行こうとなりました。昔から陽水さんが好きだったこともありますが、この楽曲が今回のコンセプトにぴったりだなと。すごく昔の曲ですが、今新しく自分なりに表現できるのではないかという思いがあって選びました。

-歌詞の内容的にはいろんな解釈ができます

川島 そうですね。でも自分はそのまま解釈しました。男女の仲が落ちていく様、感情的になって、言葉よりもどんどん本能的になって、お互い抱き合って熱のままに愛し合う。でもそんな歌詞の中でもメロディーは淡々としていて、その中に熱を感じるというのが自分の解釈でした。

-原曲とは違う雰囲気です

川島 陽水さんはわりと淡々と歌っていますが、自分は結構感情的に歌っています。

-4曲目ですが、今回もChageさんが参加してくれています。「SOME DAY」を選んだ理由は

川島 今回もChageさんの楽曲をカバーしたいという思いはありました。昨年サントリーホールにゲスト出演してくださった時、一緒にこの曲を歌いました。すごくきれいで、美しい楽曲だなと思って「この曲をぜひアルバムで歌わせていただけませんか」とお願いしたところ、快諾してくれました。その上で「せっかくならコーラスも」となって、コーラスもやってくださりました。この間もギターを頂いて、本当にアニキ的な存在です。Chageさんとは、今後も何かできたらいいなと思っています。

-4曲目「All is Fair」は作詞作曲が谷口さんですが、正直ケイジさんの曲かと思いました

川島 多分ですけど、谷口さんも僕を意識して作ったんじゃないかなと思います。そういった解釈をこの曲に感じています。自分の中では新しく違った形。でもケイジらしいという楽曲を作ってくれたと思います。

-最後は「baby」。バラードで締めくくっています

川島 そうですね。自分でもこの曲にはすごく思い入れがあって、ライブでもすごく大切に演奏しています。去年くらいに作った曲ですが、それからライブでずっと歌い続けて、ファンの方もこの曲を愛してくれています。ずっと大事にしてきた楽曲なので、この曲でアルバムを締められるのは、自分にとってもすごく意味のあることです。それこそロックアルバムのエンディングじゃないですけど、締めには良い曲。この曲によってしっかりアルバムを締めることができていると思っています。

-現時点での川島ケイジの魅力を100%詰め込んだ自信作ということで間違いない

川島 そうですね。自分でもそれは思っています。だから、どんどん広めていきたいという気持ちがすごく強いですね。

-ライブの予定は

川島 今月は兵庫、石川、和歌山、7月は東京、広島、山口、兵庫が決まっています。まだ九州、四国には行けてないので、そちらにも行ってみたいです。どんなところでもいって、歌わせていただきたいですね。このアルバムをもって全国のいろんな場所に歌いにいって、どんどんケイジの中毒者を増やしていきたいと思っています。

◆川島(かわしま)ケイジ 9月28日、和歌山生まれ。中学生から独学でギターを学び、作詞作曲を始める。ロックバンド、7thを結成。音楽プロデューサーの故石坂敬一さんに見いだされ16年8月、メジャーデビュー。17年5、6月、Chageの全国ツアーに同行しゲスト参加。181センチ。