関西テレビは19日、大阪市内で、第78回定時株主総会を開き、拳銃強奪事件の飯森裕次郎容疑者(33)の父で、同局常務取締役だった飯森睦尚(むつひさ)氏(63)が、取締役を退任したことを明らかにした。

同局はこの日午前11時から株主総会を行い、新役員人事を承認し、飯森常務も取締役候補15人のうちの1人で留任予定だった。同局ことが分かった。同局は同日夕、取締役会を経て記者会見を行った。

飯森氏は事件発生の16日夜に「こういう騒ぎになっているので、辞退したい」と意向を伝え、翌17日に辞退届を提出した。息子が事件の容疑者であることを認め、コメントを発表した日だった。

申し出は、この日の株主総会で承認され、退任の理由について「一身上の都合」としている。飯森氏は関西テレビの常務取締役を14年から務めていた。

会見で退任について嘉納修治・新会長は「ご本人から辞退という申し出がありましたので、素直に受け止めた。それ以上のコメントはありません」と話した。羽牟(はむ)正一新社長は「本人の意思を尊重したい」とした。

飯森氏は17日、個人名で「重大なけがを負わせてしまった警察官の方およびご家族に対し、心よりおわび申し上げます」などとするコメントを、代理人を通じて発表した。飯森氏は「(容疑者が)息子の可能性がある」として、16日から大阪府警の捜査に協力していた。

同日の取締役会で、飯森氏の関西テレビの顧問就任が承認されたという。