落語家三遊亭とむ(35)が1日、神奈川・厚木で、10月16日に東京・国際フォーラムで開く独演会「スーパー落語 ラブファントム2019」で披露する、ワイヤアクションの公開稽古を行った。

古典落語「鷺(さぎ)とり」で、五重塔に飛ばされるところを宙づりで演じる。

この日は、天井まで高さ6メートルの倉庫で稽古を積んだが、本番は天井までの高さは10メートル。関係者によれば「万が一ですが、落ちたら死にます」という決死のチャレンジだ。ワイヤにつられて演目、前方回転、後方回転と体操選手ばりの動きを見せたとむだが「メッチャ、怖いですね。(予備の)ハーネスが付いているとはいえ、ちょっと心配ですね。失敗すると、全く安定しない。前に仕事で体験したバンジージャンプより危険です」と顔を引きつらせた。稽古中は「怖い!」を連発したが「言っちゃだめですね。本番までには克服します」と話した。

ワイヤアクションには元々、憧れていた。「スーパー歌舞伎や、ジャニーズの滝沢歌舞伎を見た時に、お客さんがすごく楽しんでいたので、いつかはやってみたいなと面いました。それに、僕は“落語界の隙間産業”なので、いろいろチャレンジしていかないと」。落語界の重鎮の師匠連中にはワイヤアクションのことは伝えていない。「鷺とり」を教えてくれた金原亭世之介(61)にも、まだ報告していない。「自分の師匠の幸楽には言いましたが『大丈夫かい?』だけでした。基本、競馬のことしか考えていないですから」といじって笑った。ラジオ「MBSヤングタウン日曜日」で共演する笑福亭鶴瓶(67)からは「空飛ぶ前に、世に羽ばたけ」と激励されたという。

お笑い芸人・末高斗夢から11年8月に好楽に入門して落語家に。14年に二つ目に昇進した。「本当は20年の五輪までに真打ちになりたかったんですけどね。最終的にはワイヤアクションを極めて、引田天功さんみたいになって、落語界の革命児となれたら。日本武道館で宙乗りができるように頑張ります。そして80歳、90歳になってもやり続けたい、目標は森光子さんのでんぐり返しです」と話した。

現在お笑い界は、闇営業が問題となっているが「やったことないです。所属のエイベックスのとの関係は業務提携なので、自分で取ってきた仕事をするのは問題なしです」と話した。

前日の6月30日に結婚を発表した、落語芸術協会会長の春風亭昇太(59)に対しては「おめでたいですね。結婚の先輩としては『とにかく妻の言うことを聞け』というアドバイスを送ります」と笑った。