放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が日本テレビ系「世界の果てまでイッテQ!」の2件の祭り企画について放送倫理違反があったと発表したことを受け、日本テレビは5日、「本日のBPOの意見を真摯に受け止め、今後の番組制作にいかしてまいります」とのコメントを発表した。

同局は、検証委で違反と判断された「ラオス・橋祭り」「タイ・カリフラワー祭り」を含む全111件の「祭り企画」について、社内横断的に調査した結果を公表。前記2件を除く109件について「オンエア上の表現(ナレーション)に誤りや不備があった企画」が12件あったとし、うち「厳密に言えば初めての開催であったのに『年に1度』という定型化したナレーションをつけた企画」が3件、「実際に開催されていたが、不定期で行われていたものを『年に1度』という定型化したナレーションで紹介した企画」が9件あったとした。

また「開催地の環境、安全対策、撮影許可などの事情で、主催者了解のもと、開催場所を変更した企画」が3件、「元の行事の原型を失わない範囲でルールやコースのアレンジを主催者に要請し、認められた企画」が8件あった、などとした。

その上で同局は「2つの祭りに限らず、祭り企画の放送に至るプロセスには反省すべき点がありました」と2点を指摘した。

1点は「祭り」の成立課程においての把握が不十分だったこと、として「リサーチからロケの実施、放送に至るまでの過程で、我々制作スタッフが『祭り』の成立過程についての把握が不十分でした。『出演者が本気で挑戦する姿をありのまま伝える』という部分に意識がいきすぎ、『祭り』そのものへの意識が稀薄になり、正確な情報を把握しておりませんでした」。

もう1点は誤ったナレーションで説明をしたこと、として「正確な情報を把握していなかったために『年に一度の祭り』などの誤ったナレーションやスーパーを定期的に使い、視聴者のみなさまに誤解を与えてしまいました」。

同局は「事実と異なる情報を、視聴者のみなさまに伝えてしまったことにつきまして、お詫び申し上げます」と謝罪した。

その上で、「イッテQ『祭り企画』は、お祭り男が本気で挑戦する姿をお見せし、その中で起こる人間ドラマや、笑いと感動をみせることが目的です。我々に、祭りのねつ造や、でっち上げをする意図はありませんでした。『祭り企画』については、自信を持ってお伝えできる態勢が整い次第、再開したいと思っております」とした。