歌手藤井フミヤ(56)が9日、都内で、3年ぶりのニューアルバム「フジイロック」発売記念イベントに出席した。

チェッカーズでのデビューから35周年、「TRUE LOVE」のソロ活動から25周年となった。チェッカーズのデビュー日、9月21日のことは鮮明に覚えているが、「暇だった」と笑った。「あと、レコード屋さんに自分たちのレコードが並んでいるか、何人かで見に行った。ありましたね!」と話し、「デビューのうれしさとデビュー日って暇なんだなという2つの心の葛藤というか、うれしさと寂しさがあった」と振り返った。

当初アイドルになるつもりはなかったことも明かした。「ロックンロールをやっていたバンドだったので、ああいう感じで売れるとは思っていなかった」とし、「チェックの衣装がいけなかったんでしょうね。あれがアイドルにしてしまった1番の原因じゃないでしょかね」と笑った。

ニューアルバムについて、当初は全曲踊れるアップテンポな曲ばかりを予定してた。「これで最後かってくらいに踊れる曲ばかりにしたかったけど、それだとライブがつらいなと。それで年相応のアルバムにしようかなって」と笑い、「ポップスもあればジャジーな曲もあって、藤井フミヤのボーカルを堪能できるようなアルバムになりました」とアピールした。

また、座右の銘「これからがこれまで決める」をファンへのメッセージとして新曲「Tonight」の歌詞にしたことを報告した。

現在35周年全国ツアー「藤井フミヤ“十音楽団”」を実施中だ。同ツアーは藤井自身「今まで見たことがない」という内容で、いわば“フミヤ劇場”だ。「演劇のような音楽コンサートで、歌じゃなくて言葉から始まるんです。まだ2回だけど、手応えは悪くない。面白がってくれていると思う」と語った。

ツアー中の8月には10数年ぶりの個展開催も予定している。9月中旬のツアー終了後から2カ月を置かず、11月上旬からソロでは初のライブハウスツアーと精力的に走り続ける。

「昭和、平成、令和の3つの時代を歌っていますが、次の時代も歌っているかもしれない」と話し、「気付いたけどシンガーに引退はない。元気であれば。ミック・ジャガーもポール・マッカートニーもそうでしょう。まずは先輩たちを目指します」とほほ笑んだ。 ファンに向けて「35年間ずっと歌っています。ぜひ生歌を聞きに来てほしいです。新しいアルバムも藤井フミヤのボーカルを堪能できるのでぜひ聞いてみてください」とアピールした。

この日、代表曲「TRUE LOVE」や新曲「ラブレター」など計4曲を披露した。