兵庫県神戸市の新開地に、大阪・天満天神繁昌亭に続く上方落語の劇場として昨夏にオープンした「神戸新開地・喜楽館」で11日、1周年セレモニーが行われ、協会の笑福亭仁智会長(66)桂米団治副会長(60)らが鏡開きを行った。

先日、繁昌亭を「TTH」と“命名”した仁智は、喜楽館を「KSK(こうべ・しんかいち・きらくかん)」と表現。所属の吉本興業の本拠地、なんばグランド花月「NGK」や、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン「USJ」にならって、親しみやすい呼称をつけることに凝っている様子。

仁智は「繁昌亭とこの喜楽館を両輪として、はなし家も、寄席も育てていければ。願いをこめて、KSKと(呼称を)つけました」と語った。

米団治は「(神戸より)西のお客さんが確かに増えました。加古川、姫路とかからいらっしゃる方もいますね」と言い、上方落語文化の関西全域での浸透に手ごたえ。父で人間国宝だった故桂米朝さんのルーツである神戸市以西からの来場客増加を喜んだ。

喜楽館をめぐっては、新開地や神戸の街の活性化への期待も高く、米団治は繁昌亭が天神橋筋商店街とともに発展した経緯から「繁昌亭も3年が過ぎて、人が増えたな、店も増えたなと実感した。喜楽館もあと1年、もう1年頑張って、みんなで盛り上げていきたい」と決意を口にした。

セレモニーには、地元出身の女流落語家、桂あやめ(55)も出席。あやめは「新開地に、きれいな着物を着た女性もいらして、総じて女性(の客)が増えたと聞きますが、まだまだです」と言い、新たなPR作戦として、スタンプカード形式の「御笑印帳」を発案。来場8回でスタンプを集めると、1回無料になるシステムで、あやめは「御朱印帳がはやっているので、あやかって」と説明した。