元吉本興業社員として長年、謝罪会見を取り仕切り「謝罪マスター」と呼ばれ作家、危機管理コンサルタントなどとして活躍する竹中功氏は11日、日刊スポーツの取材に対し、田口淳之介、小嶺麗奈両被告の法廷での陳述と謝罪について「悪いイメージにはならない」と評価した。

竹中氏は「薬物の更生では誰がバックアップするかということが焦点になる。結婚願望を口にしたことは、2人で手を取り合って、社会復帰を期待するに足る材料。世間もいい話ととらえるんじゃないですか」と評価。田口被告が芸能活動継続の意欲を示したことも「飯も食っていかなくてはいけない。やりたいことをしっかり伝え、逃げもない」と前向きにとらえた。

竹中氏によると、田口被告が、9日に死去した元所属事務所のジャニー喜多川社長について法廷で言及しなかったことも好印象という。「ジャニーさんに対してある意味、一番恥ずかしい行動。恩義や思うところはあると思うんですけど、状況を考えて忍ぶべきところは忍んだと思います」。

一方で、6月7日の保釈時に田口被告が土下座したことについては「賛否両論あったようですが『否』の多くは好きなことを申すテレビやネットのウォッチャーで、田口さんが本来謝罪すべき第1の相手でない方が多い。彼の自主的な土下座ならファンや関係者に対しては良かった」と評価しつつ「スピーチライターがいたのかどうか、市会議員あたりの所信表明のようにも聞こえました」とした。【大井義明】

◆竹中功(たけなか・いさお)1959年、大阪生まれ。81年吉本興業入社。同年に宣伝広報室を設立し情報誌「マンスリーよしもと」初代編集長。河内家菊水丸の担当、よしもとクリエイティブ・エージェンシー専務取締役などを経て15年退社。著書多数、文化放送「竹中功のアロハな気分」(日曜午後7時)出演中。