演歌歌手の川中美幸(63)が17日、大阪・大丸心斎橋劇場で新曲「笑売繁昌」の発売記念イベントを開催し、落語に初挑戦。

上方ネタの「時うどん」を披露した。新曲は、落語家を支える結婚前の女性を歌ったもの。歌詞に「時うどん」という言葉が登場する。作詞家もず唱平氏(80)が「どのようなものか知っていた方がいい」と考え、川中と、芸歴60年の落語家・桂福団治(78)をつなぎ、今回の挑戦に至った。

大阪出身の川中だが現在の拠点は東京。3代目桂春団治一門で、上方落語の福団治は、大阪で生活する。場所が東京、大阪と離れているため、練習はタブレットでやりとりした。

川中によると、稽古期間は2週間ほどで、福団治に直接見てもらったのはなんと、本番のこの日だけ。

公演では、観客の笑い声につられて「自分で笑ってどないすんねん」と自分にツッコミを入れる場面もあったが、豪快にうどんをすする動きを見せ、会場を盛り上げた。

終演後には「30点かな。川中美幸がやってるからみんな笑ってくれたけど、そんな甘いもんじゃないですよ」と自己採点したが、「笑いは力をくれる。元気にもなれる。落語は大変だけどやりがいを感じた」と笑顔だった。

見守った福団治も「上方落語のためにも(川中に)やってもらうのは大きなこと」と話した。

また、川中は、今後、落語を聞く機会がまたあるのかと聞かれると「時うどんをしっかり固めたい。これで終わりにしたくない」と話していた。