16歳の新人演歌歌手、彩青(りゅうせい)が、令和に大きく羽ばたく。岩見沢市出身で6月に「銀次郎 旅がらす」でデビュー。

真狩村出身の大御所、細川たかし(69)の男性歌手では初の弟子として注目を集めている。幼い頃から数々の民謡タイトルを勝ち取り、道産子で民謡出身という同じルーツの師匠からは「俺の後を継げる」と太鼓判。期待の星が新時代に天性の歌声を響かせる。

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北海道が誇る大御所、細川たかしの秘蔵っ子が新時代にデビューした。名前は彩青。年齢はまだ16歳だ。当初は修業を積み20歳前後でのデビューを予定していたが昨年、細川が「元号が変わるタイミングで行こうか」とゴーサインを出した。6月にデビューCDをリリースし、今はキャンペーンで全国を忙しく回る。「自分の歌を聞いてもらえる喜びでいっぱいです」と笑顔を見せた。

出会いが少年の運命を変えた。5歳から始めた民謡では数多くの大会で優勝し、「民謡の申し子」と呼ばれるようになった。11歳のとき、テレビ番組「関ジャニの仕分け∞」で「歌うまキッズ」として出演。収録で出会った細川から「声変わりをうまく乗り越えたら、俺の弟子にしたい」と声をかけられた。喉に負担をかけずに高音をキープする歌い方で課題をクリアし、弟子入りを果たした。

大きな背中を追う。同じく民謡出身の師匠から、民謡とは違う演歌の節の回し方を教わってきた。また細川の持ち味である会場を沸かす巧みなトーク技術も勉強している。常に何事も貪欲に吸収しているだけに、先輩歌手からは「細川さんの若い頃に声も歌い方もソックリだね」と言われるという。

彩青は細川にとって札幌市出身の杜このみ(30)以来の2番弟子で、男性では初めて。イベントでの共演時には師匠から「俺の後を継げる」とお墨付きをもらった。細川の出身地、真狩村は細川の銅像が建てられていることでも有名。小学6年のときに訪れたこともあり、「羊蹄山のふもとにあって素晴らしかった。自分も地元の岩見沢に建てることができれば」と大きな野望も持つ。

三味線と尺八の演奏も器用にこなし、“三刀流”で勝負していく。「コンサートでは、歌で感動を、トークで笑いを。師匠のような演歌歌手になりたい」。細川イズムを受け継ぐ新星が、令和を駆け抜ける。【西塚祐司】

◆彩青(りゅうせい) 本名・横田彩青。2002年(平14)8月29日、岩見沢市生まれ。5歳から民謡を始め、「青少年みんよう全国大会」「民謡民舞少年少女全国大会 民謡日本一決定戦」など数々の全国大会で優勝。民謡三橋流名取(三橋彩青)。7歳から津軽三味線、11歳からは尺八も本格的に始める。11歳から細川に師事し、19年6月「銀次郎 旅がらす」でデビュー。彩青の由来はサッカーが好きな父が02年W杯日韓大会で日本代表の青いユニホームに影響されたことから。好きな食べ物は和食(すし、そば)。血液型A。

◆デビュー曲「銀次郎 旅がらす」 若さと勢いを強調した股旅演歌で、曲中の尺八は彩青自身が演奏している。作詩は「およげ!たいやきくん」などを手がけた釧路市出身の高田ひろお、作曲は「浪花節だよ人生は」の四方章人。カップリング曲「からっ風道中」はスローテンポの本格演歌だ。