金ピカ衣装で「おぼっちゃま」キャラ、赤いハンカチを手にした「ほら吹き漫才」の先駆者、漫才師の故横山たかしさん(享年70)をしのぶ会が6日、大阪市内のホテルで行われ、たかしさんにかわいがられていた団長安田(45)が、金のふんどしで魂の継承を誓った。

「たかし師匠がいなかったら、今の僕はないです」

団長は、漫才コンビ「安田と竹内」を解散し、HIRO(42)クロちゃん(42)と、お笑いトリオ「安田大サーカス」を組んで再出発。当時を「キレやすかった」と振り返った。

仕事熱心なゆえ、けんかっ早かった団長は、実際、厳しくHIRO、クロちゃんを指導していた。その光景を見ていたたかしさんは「我慢せなあかん」と諭したという。

仕事相手にも、間違いをただすべく、突っかかっていた団長に、たかしさんは「頭下げんのは銭いらんのや」「誰にでも歯向かうやっちゃな」などと、忍耐を教え込んだ。

団長は「ほんま、師匠おらんかったら、クロちゃん殴り殺してましたわ。いやもう、今、ここにいませんよ」と言い、自身も後輩に「伝えられることがあったら伝えていきたい」と話した。

たかしさんは、後輩の面倒見も良く、若手に積極的に声をかけた。団長は「肩もんだら1万円とか…だいぶ、もらいました」。あるとき、たかしさんが、舞台出演の直前、赤いハンカチを忘れたことに気づいた。

「そしたら、出番終えた僕の(赤い)ふんどし、これでええわ、脱げ、と。それをかんでくれました」

団長の赤ふんどしをポケットにしのばせ、舞台に立ったこともあったという。

そんな絆の固さゆえ、この日、会場に展示してあったたかしさんが晩年、使用していた金ピカ車いすに、団長がドスン。囲いを外して、車いすに乗って、場内を周回した。

「座り心地は普通ですね。いや、怒られませんよ。絶対。笑ってくれてると思います。衣装も着てますからね。ただ、師匠は『裸の上には着んなよ』言うてましたけど」

たかしさんとの思い出をたどるように、車いすを動かした団長に、ふんどしを赤色から金色にするか問うと「そうですね。金色のふんどし、やりましょう。この1年は金ふんどしで。生地を探さないと!」。たかしさんの後輩思いの魂とともに、金ピカ“衣装”の継承も誓っていた。

この日のしのぶ会は、相方横山ひろし(72)と、所属の松竹芸能が開催。酒井くにお(71)とおる(68)、正司敏江(78)ら約700人が出席。追悼公演は8月10、11日に、大阪・心斎橋角座で行われる。