元AKB48の女優岩田華怜(21)が8日、東京・渋谷区総合センター大和田伝承ホールで、主演ミュージカル「Signs~微力だけど無力じゃない~」(12日まで)の初日を迎え、本番前に取材に応じた。

核兵器廃絶を求めて署名活動を行う長崎発の平和活動「高校生平和大使」をモチーフにした作品。歌い踊るミュージカルのため、稽古に約2カ月かけたが「長かったようで、私にとってはあっという間。今日からお客さんにお見せできるのが楽しみです」と充実感をにじませた。

演じるにあたり、実際に長崎を訪れた。市長と対話し、平和公園などを訪問。平和大使の高校生とも話し、その経験を役作りに生かした。「みんな遊びたい時期なのに、投げ出したいと思ったことは1回もないとキッパリ言っていた。自発的にやっているから意味があるんだと。座組のみんなにもお話をしました」と振り返った。長崎での上演にも意欲を見せ「公演をもくろんでおります」と笑みを浮かべた。

学校の授業以外で広島や長崎の原爆について学ばなかったことを省みながら「恥ずかしながら、知ろうとしてこなかった若者の1人です」。若い世代へは「まずはこの作品を通して興味を持ってもらえたら」と話した。

東日本大震災の被災者として復興活動も行ってきた。「震災が人生の一部。長崎や広島、日本各地にいろんな記憶があって、被災地は東北だけじゃない。歴史を悲しむだけじゃなく、若い私たちが継承していくことが大事」と力を込めた。

明日9日は長崎原爆の日。「8月9日にこの作品を上演できている不思議な縁で、絶対に意味がある。黙とうして本番を迎えると思います」と話した。

また先月15日、岩田はツイッターで、幻覚や幻聴に悩まされていると告白しファンから心配の声が上がっていた。この件については「あの日、あの夜だけでした。疲れていて、金縛り程度のもの。ファンの人と話していたら気が紛れました。お騒がせしています」と謝罪し、健康をアピールしていた。