乃木坂46が1日、東京・神宮球場で「真夏の全国ツアー2019」千秋楽公演を開催し、初代キャプテンの桜井玲香(25)がグループから卒業した。

ライブ序盤のトークで、桜井は笑顔で爽やかにあいさつした。「真夏の全国ツアーファイナル最終日、始まりました~! 皆さん元気ですか!! ラストなので最後まで一緒に楽しんでください。よろしくお願いします!」。3万5000人から大歓声を浴びた。

桜井は「私なんか、オープニングから絶好調で間違えちゃったよ」と笑ったが、話しを振られた新内眞衣(27)は「今日は全国ツアー最後ですけど、玲香も最後なんです…」と早くも涙目。「私たちは後ろから、皆さんは前から。玲香を見ておいてください」と呼びかけ、目をうるませた。秋元真夏(26)が「今日もいい日になりそうだね」とほほえむと、桜井も「なりそうだね」と笑った。

11年8月、乃木坂46の1期生オーディションに合格。私立女子校出身の上品さと、高レベルの歌唱力やダンスを併せ持つ人気メンバーで、12年6月から7年以上キャプテンを務めてきた。ライブ中盤には、パフォーマンス力の高い中田花奈(25)和田まあや(21)阪口珠美(17)金川紗耶(17)を率いて、「自分じゃない感じ」でキレキレのダンスを披露した。

2日から新キャプテンに就任する秋元と、ツーショットで話す一幕もあった。 中盤に、桜井と秋元の新旧キャプテンツーショットトークがあった。桜井は「私は初代キャプテンだったけど、今日の夜12時を過ぎた後は、真夏さんにキャプテンをやってもらうんです」とあらためて紹介すると、秋元は「まさかだね」と笑った。桜井も「本当、まさかだよね。真夏は1期生だし、私より年も上。もっと下の子になるのかな、って誰もが思っていたと思う」と答えた。

アンコールでは、桜井が白いドレス姿でスピーチ。神宮球場への特別な思いを語り、体調不良で一時活動休止していた16年の夏を振り返った。当時、メンバーやスタッフ、ファンに支えられたという。「マジで、本気でこのグループを守らなきゃな、と思ったんです。メンバーを絶対に守らなきゃいけないなって。ちょっと遅かったかもしれないけど、本気で思えたのはそのタイミングでした」と明かした。

「卒業しても、自分と乃木坂は一生、関わっていくと思っていて。『桜井玲香って乃木坂だったんだよ、しかもキャプテンだったんだよ、すごくない?』って言ってもらえる人になりたい。だからこれからも私は『乃木坂』なんだと思っています。メンバーはこれから現役のメンバーとして乃木坂46を作っていくと思うんです。一緒に活動することはなくなるけど、私は私でこれからの乃木坂46を作り続けていく1人だと思っています。いろんな姿をお見せするつもりでいるので、ワクワクして待っていてほしいなと思います!」

スピーチを終えると、新曲「夜明けまで強がらなくてもいい」(9月4日発売)収録のソロ曲「時々 思い出してください」を初歌唱した。途中から涙があふれ、声を詰まらせる場面も。白石麻衣(27)松村沙友理(27)らメンバーもステージに集合し、桜井の背中をさすった。

新曲「夜明けまで強がらなくてもいい」を披露した後、「ロマンティックいか焼き」「僕だけの光」と続き、トロッコに乗った桜井がアリーナ外周をまわった。その後、秋元が桜井への手紙を涙ぐみながら読み上げた。

「玲香がキャプテンじゃなかったら、今の乃木坂はありません。私だけじゃなく、ここにいるみんながそう思っているはずです。目には見えない乃木坂らしさ。それは玲香が作ってくれたこの優しい空気感だったと思います。みんな心の底から、玲香がキャプテンで良かったと思っています!」

桜井は「みんながいたからここまで頑張れました。青春だよ。学校の時よりも、乃木坂のほうが全然。一生大切な人たちです」と感謝した。

「乃木坂の詩」を全員で歌うと、齋藤飛鳥(21)や生田絵梨花(22)の目にも涙が浮かんだ。さらに、ダブルアンコールを受け、デビュー曲「ぐるぐるカーテン」のカップリング曲、「会いたかったかもしれない」を歌った。

アイドルとして最後のパフォーマンスを終えると、桜井はステージから降りて、スタジアムを歩いて一周した。バックネット付近まで来ると、同期の卒業生、若月佑美(25)がサプライズ登場した。桜井に花束を渡し、「玲香、本当に卒業おめでとう。そしてよく頑張りました!」と抱きしめた。涙を流す桜井に向けて、「ここからが長いですから。ここからも、ともに戦友として頑張りましょう!」とエールを送った。乃木坂46のライブに、卒業生が登場するのは初めてだった。

ステージに戻ると、メンバーたちが待ちかまえていた。桜井のかけ声で、全員で円陣を組んだ。

「明日からみんなで一緒に乃木坂46を作っていきましょう! 私も、上り坂をもっと上れるように、頑張ってサポートしていきます! 本当にありがとうございました。楽しかったです! 乃木坂に入ってよかったです! 明日からまた頑張ります!」

終わらない歓声を受け続け、「もう本当に帰るね! バイバイ! みんな、だーい好き! またねー!」と笑顔でステージから去った。