7月9日に亡くなったジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長(享年87)のお別れ会が4日、東京ドームで執り行われ、多くの芸能界関係者が参列した。

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午前11時から行われた「関係者の部」のセレモニーでは、近藤真彦(55)がお別れのあいさつをした後、「たくさんの弔電をいただきました。1通だけ、ご紹介させていただきます」と切り出し、安倍晋三首相からの弔電を読み上げた。全文は以下の通り。

ジャニー喜多川さんのお別れの会にあたり、心より哀悼の意を表します。突然の訃報に、世代を超えて、日本中が大きなショックを受けました。それはジャニーさんが、昭和、平成、そして令和と、それぞれの時代を代表するスターを生み出してこられたことの、証左だと思います。それぞれの人の胸に、それぞれの青春の時代のジャニーズのスターがいる。その歌声に、そのパフォーマンスに、多くの人が魅了され、明日への希望と元気をもらってきたことは、間違いありません。

ジャニーさんは半世紀以上にわたり、まさに我が国を代表するプロデューサーとして、ショービジネスの世界に新風を吹き込み、エンターテインメントの新たな可能性を追い求められて来られました。同時にタレントの皆さん1人1人と人間として向き合い、育みながら、その新たな挑戦を後押ししてきました。

今や、歌や、演劇のみならず、映画、ドラマ、バラエティー、報道・情報番組など、タレントの方々の活躍は単なるアイドルとしての枠だけではなく、大きく拡大しております。全てはジャニーさんという希代のプロデューサーの存在なくしては、あり得なかったことだと思います。

エンターテインメントを通じて、世界中に幸せを送りたい。倒れる間際まで、劇場やスタジオに足を運び、次の時代を担う若者たちへの熱心な指導を続けられたのは、そのほとばしるような情熱のなせる業であったことでしょう。

令和の新しい時代を迎え、今月からは、我が国で初めてのラグビーワールドカップが開幕します。来年は東京オリンピック・パラリンピック、2025年には、大阪関西万博。日本全体が大きく盛り上がっていくまさにこの時にジャニーさんをうしなったことは本当に残念で仕方ありません。しかしジャニーさんのエンターテインメントへの熱い思い、託したバトンは、必ずやジュリーさん、滝沢さんをはじめ、次の時代を担うジャニーズの皆さんへと受け継がれていく。私はそう確信しております。

ですから、ジャニーさん、どうか安らかにお眠りください。これからも後進の方々の活躍、発展をどうか見守ってください。日本中にたくさんの勇気と感動を与えてくださり、本当にありがとうございました。

令和元年9月4日 内閣総理大臣 安倍晋三