三谷幸喜監督(58)が5日にブログを更新し、 映画「記憶にございません!」(13日公開)に出演する田中圭(35)に関する撮影裏話を明かした。

作・演出した昨年の舞台「江戸は燃えているか」で初起用した田中について「骨太な中に、ほど良くブレンドされたチャラさ。それが第一印象。一見、格好いいのか、よくないのか、よく分からない人で、稽古場でもどちらかといえば、いじられキャラ。ところが、格好いい芝居をすると、相当に格好いいので、やっぱり格好いいのだろう。前日のお酒がたたって、ぱんぱんにむくんだ顔で、皆の前に現れたことがあった。さんざん共演者にいじられた揚げ句、稽古が終わる頃には見違えるようにすっきりし、涼しい二枚目顔で帰って行った田中圭。つまりはそんな人だ」とつづった。

舞台で仕事をともにしたのをきっかけに「彼に警官の役をやらせたい」と思ったという。「愛嬌(あいきょう)のある『頼れるお兄さん』顔の田中さん。絶対に警察官の制服が似合うと思った。まだ映画の台本も完成していない時期『どんなに出番が少なくても、僕の映画に出てくれませんか』と頼んだら『もちろん出ますよ』と言ってくれた。その後、『おっさんずラブ』が始まり、瞬く間に忙しくなったが、彼はきちんと約束を果たしてくれた」と、田中が「記憶にございません!」に出演することが決まった経緯を明かした。

また、田中が演じる警官、大関平太郎について、「当初は冒頭だけの登場のはずだったが、熱いけど不満だらけのこの警官、田中さんが演じることを前提に考えたら、もっと活躍させたくなってきた。そこで後半、再登場させることに」という。さらに「記憶を失った黒田総理が、路上に座り込み、やじ馬に取り囲まれる。そこへ現れた大関。携帯をかざす人に『撮ってくれんなっつーの』と一喝。ここだけの話、このせりふは、田中さんのアドリブだ」と裏話も明かし、「この一言の中に彼は、警官大関の職務熱心さ、そして温かさを表現した。言葉は、ぶっきらぼうだが、なんとも優しい『撮ってくれんなっつーの』。田中圭、いい役者さんです」と絶賛した。