俳優遠藤憲一(58)主演のフジテレビ系連続ドラマ「それぞれの断崖」(土曜午後11時40分)の7日放送の第6話の視聴率が3・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と9日、分かった。前回の2・4%より1・5ポイント、アップした。

前回まで3・9、2・2、2・6、3・0、2・4%だった。

名古屋地区は5・6%、関西地区は5・3%だった。

遠藤が演じるのはコンピューターメーカーに勤める志方恭一郎。深酒して帰った日に、家庭内暴力をふるう中学2年の息子・恭介が殺された報告を警察から受ける。加害者は13歳の同級生・八巻満(清水大登)で、殺人を犯しても少年法で守られ罪には問われない。悲劇の夜、「被害者の父」は酒に酔い、怪しげな店で遊んでいたことが発覚。妻や娘たちに恨まれ、警察からも疑いをかけられる。加えて、加害者少年へ「絶対に許さない」と怒りを爆発させたことで、世間からの容赦ないバッシングを受ける。職を失い、家族の絆がほころび、やり場のない怒りを抱えた「被害者の父」は、息子の無念を晴らすために「加害者の母」で、はかなげな美しさを持つシングルマザーの八巻はつみ(田中美里)に身分を偽り近づき、やがて禁断の恋に落ちてしまう。作家小杉健治氏の同名小説が原作。

第6話では、はつみ(田中美里)が志方家に謝罪に訪れた。志方の目の前で、雪子(田中美佐子)に土下座するはつみ。額を床にすりつけるようにして謝罪するはつみだったが、「一生罪を背負って苦しんで下さい」と突き放す雪子。更生や謝罪など、そんなもの私たちには一切届かないのだと。はつみが帰った後、雪子は志方(遠藤)に問いかける。「あなたはもう、許したの?」何も答えられない志方に、娘を連れて実家に帰ると告げ、出て行った。広い家に1人取り残される志方…。もう何もかも、取り返しがつかないのだ。

少年院を訪れたはつみは、満(清水)に志方家に謝罪に行ったことを告げる。小さな声で「ごめんなさい」と繰り返す満。いずれ退院した後、自分も志方家に謝りに行きたいと話す満の手を、はつみは強く握りしめる。改めて息子と共に罪を償って歩む覚悟を決めたはつみは、志方との関係を終わらせる決意を固めていた。

志方は、会社の新プロジェクトの担当に抜てきされ、新潟に赴任することになる。はつみに連絡を取ろうとするが、電話がつながらない。アパートにはしばらく戻ってきておらず、クラブも1週間前に辞めたと聞かされた志方は、ぼうぜんとする。弁護士の若菜(内田滋)を訪ねるが、そもそも被害者家族が加害者家族に連絡を取ることなどあってはならないことだと、にべもなく追い返され、もはやはつみを探す手段は残されていなかった。志方は、はつみへの思いを断ち切り、新潟へ向かった。

9カ月がたち、迎えた恭介の一周忌。いまだはつみの行方は知れなかったが、久しぶりに顔を合わせた雪子に、けじめをつけたい、と離婚届を手渡す志方。雪子は、自分なりにやり直す方法は何度も考えたものの、志方がはつみと関係を持ったことはどうしても乗り越えられなかった、と語り届を受け取る。「私たち、頑張ったよね」

恭介の月命日に誰かが花を手向けている。一周忌で聞いた話にいちるの望みをかけ、志方は墓地で待ち伏せる。朝もやの中に現れたのは、はつみだった。こんな形で終わらせることはできない、もう1度一緒に生きていかないか、と訴えるが、はつみの言葉に絶句した。

「あなたは、自分の息子を殺した人間と一緒に暮らせるんですか?」