EXILE SHOKICHI(33)が15日に、地元北海道の北海きたえーるで、全国アリーナツアーの千秋楽公演を行った。ソロとしては初の単独ライブ&ツアーだったが、全国6都市8公演で7・3万人を魅了した。

マルチな才能が際立つ公演だった。自らが作詞作曲した作品を中心に、ボーカリストとして、バラードからR&B、そしてラップと幅広いジャンルの楽曲をダンスとともに披露すれば、ピアノにドラム、エレキギター、ハーモニカ、歌声を変換するトークボックスと5つの楽器も使いこなした。もともと中学時代に友人らとバンドを組み、当時から曲作りも行っていたという。

SHOKICHIは、06年のEXILE「ボーカルバトルオーディション」を受けるも、落選。その後、ダンスも学んで、07年1月に二代目J Soul Brothersに加入して、09年3月からEXILEに加入したが、苦労を重ねてきた。加入時からEXILEには、ATSUSHI、TAKAHIROと絶対的なボーカリストがおり、同時に加入したNESMITHとともに、ボーカル&パフォーマーという立場だった。グループの中で、もちろん存在感を発揮していたが、個性を100%表現できていたかというと、そうではなかった部分もあっただろう。

この日のライブでも披露した「マボロシ」では、そんな自らの生き様を振り返るように、こう表現している歌詞がある。

「<歌詞>夢を書きため 進む明日へ けど向かい風 ヘイター達の足かせ まるで負のスパイラル」

それでも、SHOKICHIには、デビュー前から実力を磨いてきた音楽があった。

「<歌詞>崖っぷちのマイナスからプラスを生み出す 修羅の道を開拓 陰で終始 作り続けたMusic それが今になってただ1つの武器」

14年にソロデビュー。昨年からは、レーベル機能を持つプロジェクト「KOMA DOGG」を始動。そして今回の初めての単独ライブにして、初めてのアリーナツアー…。時間はかかったかもしれないが、前に進み続けた成果が、1つ1つ花開いている。

今回のツアータイトルは「UNDER DOGG」。「成り上がり」を意味する造語だった。SHOKICHIは「決して自分が成り上がりだとは思っているわけではないんですけど…」と謙遜しつつ「目標を諦めずに、1つ1つやってきたという思いを込めました」とその理由を明かした。

「自分のキャリアの集大成で、1つのゴールであり、スタート」と意気込んだ初の凱旋(がいせん)ライブ。「これからもずっと音楽を作り続けて、発信していきたい。ソロもグループもレーベルも。全部に一生懸命届けていきます」という言葉に、自信も感じさせた。【大友陽平】