黒柳徹子(86)が初挑戦した朗読劇「ラヴ・レターズ」が16日まで、東京のEXシアター六本木で上演されている。

幼なじみの男女が半世紀がかりでやりとりしたラブレターをもとにした愛の物語で、今回は「黒柳徹子スペシャル」として、高橋克典、筒井道隆、吉川晃司の3人が日替わりで相手役を務めている。

7日の初日直前に囲み取材に応じた黒柳は、手紙について「切ってから便箋を開ける楽しみがあるので、電話と違って思いがけないこと、うれしいこと、悲しいことが書いてあったりするので、手紙をもらうのはすごく好きです」。さらに、自身のラヴレターの思い出を明かし、「20歳の時にもらったラブレターに『ふかしたてのサツマイモのようなあなたへ』と書いてあって、その時はすごくムっとして返事は書きませんでした。でも、今は良かったなと思います。その人にサツマイモに見えたとしたら、おいしいですもんね。とても良いラブレターだったなと思います」と振り返った。

舞台は休憩をはさんで2時間を超えるが、黒柳は幼い女の子の時から、老年になるまでの半世紀の軌跡をよどみなく、鮮やかに語り、カーテンコールでは大きな拍手を浴びていた。昨年、長年続けてきた「海外コメディシリーズ」に一区切りをつけた黒柳だが、こういう朗読劇の形で、まだまだ舞台に立ってほしいと思った。【林尚之】