松竹芸能が昨年からスタートし、毎年末に大阪松竹座で開く「お笑い披露公演~年忘れネタ祭り~」の会見が16日、大阪市内で行われ、酒井くにお(71)とおる(68)、海原はるか(71)かなた(71)ら、大御所が元気な姿を見せた。

夫婦漫才結成を決めた横山ひろし(72)春けいこ(61)や、高校野球芸人かみじょうたけし(41)、若手トリオ「風穴あけるズ」も出席。進行は、シンデレラエキスプレスの渡辺裕薫(ひろしげ、51)が務めた。

ベテランの酒井くにおは「今年はいい年じゃございません」と、いきなりぼやき始め「入院、退院ばっかりでした」。今年3月ごろに肺炎を患って以降、何度か体調を崩し、くにおによると「家で2日間倒れてたことがあった」とか。

仕事を控えており、とおるが電話をしても出なかったため、鍵を持っているとおるは自宅へ急行。くにおの不調が発覚したことがあったという。とおるは「以来ね、もうそれからは、毎日、電話するようにしてるんですわ。安否確認です」と笑わせ、くにおも「この子が家に来てくれなかったら死んでたかもしれん」と絆の固さをのぞかせた。

とはいえ、ぼやき、つっこみ、ボケて笑わせる漫才と同じテンポのやりとりで会見を盛り上げ、くにおは「歌舞伎の小屋でやるんやから、からめられたらうれしいな」と、花柳流日本舞踊の素養も持つ異色漫才師らしく意気込んだ。

また、昨年3月に腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症を患い、休養を経て、今年8月に復帰した海原かなたは「声を出してなかったんで、不安だったんですけど、意外に舞台で声が出せた」と順調な復帰の足取りに手ごたえ。はるかも「1年7カ月、暇を楽しんで、やっとこの夏に相方と漫才ができて楽しい」と笑った。

かなたは今なお、リハビリも継続しているが、はるかによると、ネタの口合わせ中に、カラオケに行き、かなたが「ガーッと」発声していたそうで、安心したとも明かした。

昨年末から始まった松竹芸人総出演の大阪松竹座での年忘れライブ。かなたの休養で、はるか・かなたは初出演になる。かなたの髪吹き芸は、はるかの髪が命だが、そのケアは「抜けたら抜けたでいい。7-3分けが8-2になり、9-1、9・5-0・5に…ですが、美容師さんがやってくれてますから。そもそも40代からこれですから」。

自信満々? に話すはるかに、隣からコンビの枠を超え、とおるが「相方が休養中にいっぺん髪をふいたけど、若い頃には僕の肺活量ではふけなんかったけど、ふけた。確実に毛は減ってる」とつっこんだ。

松竹芸能の芸人は、ベテラン、中堅、若手と昔ながらの芸人らしい絆が固く、互いに助け合い、高め合うのが特長。とおるのつっこみに、はるかは「いや、そもそも、これ(髪)を増やそうなんて根性が間違っている」と開き直って、再び会見場をわかせていた。