東京国税局から7年計約1億2000万円の申告漏れを指摘されていたお笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実(44)が23日夜、大阪市中央区の吉本興業本社で謝罪会見を行った。

この日午後11時すぎ、東西のテレビ各局、新聞社ら、総勢80人が集まり、グレーのスーツ姿で、徳井が「このたびは、私のだらしなさ、怠慢によりまして、しっかりとした納税をすることができず、ちゃんと税金を納めてらっしゃる国民の皆さまに多大なる不快感を与えてしまったこと、たいへん申し訳なく思っております」と謝罪。十数秒、頭を下げた。

まず「1億2000万」という申告漏れの金額について聞かれ「とんでもない金額だな」。16~18年の3年間、無申告だったことへの説明を続けた。

担当の税理士から「申告しないといけない」と言われたが「分かりましたといいながら、銀行やなにやと『明日でいいか』と。1週間になり、2週間になり、来年まとめてでいいかと思っていた」とし、認識の甘さには「想像を絶する本当にだらしないルーズさによって、3年たまってしまった」と説明した。

税理士から、領収書を求める催促にも「僕が提出を怠っていたので、税理士さんの作業も滞っていた」とし、国税から無申告についての指摘、調査を受けた後に、その先にさかのぼって、精査を受けて、衣装代、旅行代などについての「所得隠し」が判明した。

徳井は、この所得隠しについて、当時の意図を問われると「洋服代…劇場の仕事、テレビの仕事でも使っているから、衣装代だろうと判断した。旅行についても、いずれ仕事につながるかもしれないから、これは仕事かな? と考え、領収書を税理士さんに渡してしまったかもしれない」とも答えた。

国税局から昨年末に指摘を受けたが、吉本には伝えていなかった。1カ月ほどの調査を経て、今年初めに修正申告を終えた。

徳井は福田充徳(44)とのコンビで、06年にM-1グランプリで優勝。東京へ進出し、収入も大幅アップ。その後、先輩芸人らが旧知の税理士を紹介されたようで、09年に自身が代表取締役となった会社「チューリップ」(東京都世田谷区)を設立。吉本が支払うタレント活動のギャラを同社で受けていた。

15年までは、申告をしていたが、16年から3年間、無申告に至った理由については「何か関係に変化、環境に変化があったわけではない。明確な理由はなく、すべて僕のルーズ、甘さ、怠慢です」とした。

徳井はこの日、大阪市福島区のABCテレビで「ビーバップ! ハイヒール」(木曜午後11時17分=関西ローカル)収録に、予定通りに臨んだ。11月28日と来年1月16日の放送分だった。徳井はコンビで、24日放送の同番組にも出演しており、予定通り放送される。

今後の活動については「僕としてはできればお仕事をさせていただきたい」と活動継続の意志を明確にしたものの「劇場のお客様、テレビ、ラジオの前のみなさまが『徳井が出てると気分悪い』とおっしゃられるのであれば、致し方ないと思います」とも話した。

世間の反応、テレビ局など制作側の意見を聞き入れて、今後の方針を決める。

徳井はこの日夜まで大阪市内で予定通りの仕事をこなし、吉本に対し「直接、公の場でおわびしたい」として、会見開催を強く望んだという。