24日に膵臓(すいぞう)がんで亡くなった女優八千草薫さん(享年88)が、がん公表後に収録したテレビ朝日系ドラマ「やすらぎの刻(とき)~道」の未公開場面が11月に放送されることが29日、分かった。

八千草さんは、今年4月スタートの同ドラマにヒロインしの役で主演予定だったが、直前の2月に肝臓がんを公表し、降板した。しかし、脚本を担当した倉本聰さんは、前作「やすらぎの郷」で亡くなったはずの八千草さん演じる大女優九条摂子を亡霊などで復活させ、がん公表後に、極秘で収録を行った。

当時、数本分を収録しており、関係者によると、「亡くなる前に、11月に放送すると聞いています。残る場面はタイミングを見て、放送するようです」という。八千草さんは亡くなったが、生前最後となる大女優の姿がよみがえる。

また、生前、戒名を決めていたことも分かった。自らの死を予期したのか、お坊さんと相談しながら決めたもので、本人も「いい戒名ができた」と話していたという。遺骨は自宅に安置されているが、今後、この日十三回忌を迎えた夫の谷口千吉監督が待つ湘南の墓に、納骨される。