漫才協会(青空球児会長)の会員が総出演の「漫才大会」が先日、東京・浅草公会堂で行われ、50回目にして初めて「王座決定戦」が行われた。

漫才というと、吉本興業を中心とした関西勢が人気だが、かつてはコロムビアトップ・ライト、リーガル天才・秀才、Wけんじ、内海桂子・好江、春日三球・照代などの東京漫才の人気コンビがテレビでもおなじみだった。

今回は、若手コンビの加入などで会員も増えたこともあって、「王座決定戦」を行うことにしたもので、青空球児・好児の大ベテランからナイツ、U字工事の人気者に、若手など50組以上が参加した。持ち時間は1組3分で、少しでもオーバーすると、ステージの照明が消えるという、ガチな決定戦だった。

観客の投票によって、A・B・Cの3ブロックを勝ち上がったのは、オキシジェン、母心(ははごころ)、磁石の3組だった。いずれも勢いのあるコンビで、それぞれは確かに面白かった。手を抜いたわけではないだろうが、実績のあるナイツやU字工事よりも会場の笑いをとっていた。

決勝戦の結果、母心が優勝し、初代王座に輝いた。母心は、福島を中心に活動するお笑い集団みちのくボンガーズ(現在はふくしまボンガーズ)の元メンバーで、08年にコンビを結成。12年に上京し、漫才協会に加入。漫才協会の拠点である浅草・東洋館の公演を中心に活動している。

嶋川武秀は「寄席芸人を目指してやってきたので、客席のお客さんの判断で、優勝したのがうれしかった」、関あつしは「シンプルにうれしい。これをきっかけに東洋館にも来てほしい」と話した。

母心のブログによると、出演するラジオ番組のリスナーが、母心の初代王座を報じた「日刊スポーツ」の記事を印刷して、ラミネートして贈ってくれたという。「ありがたい、ありがたい」という2人だが、これをどうしようかと悩んだ末に「実家に飾ってもらおう。スペースがあるから」と決めたいう。大事にしていただいて、こちらこそ「ありがたい」です。【林尚之】