ジャニーズの若手タレントが多数出演する舞台「ジャニーズ・アイランド」が8日、東京・帝国劇場で初日を迎えました。初日公演前のゲネプロ(公開通し稽古)を取材した際、ロビーの販売カウンターの看板に目を引かれました。タピオカドリンクが売られていたからです。

「ついに帝国劇場にも『タピる』の波が…!」と驚きましたが、劇場関係者によると既に昨年から取り扱っていたそうです。特に「ジャニーズ・アイランド」など、若い女性の観劇者が多い公演限定で販売。厳かな雰囲気の帝国劇場とタピオカドリンクは意外な組み合わせかもしれませんが、季節ごとにメニューを変えるなど、工夫も凝らしているのだといいます。

「ジャニーズ・アイランド」は12年11月に「ジャニーズ・ワールド」として初演。今年7月に亡くなったジャニー喜多川氏(享年87)の思い入れの強い演目の1つです。劇中では、東京大空襲などの戦争を振り返るシーンや、タイタニック号沈没事故やヒンデンブルク号爆発事故など、過去の悲惨な出来事や災害などを再現する場面があります。

関係者は「若いお客さんたちが、この作品を通じて戦争や、過去の惨劇を知ることは、すごく意義深いと思います」と話していました。チケットは全公演完売。もちろん、ジャニーズの人気アイドルを一目見ようと訪れる来場者が多いでしょうが、観劇後には、ジャニー氏が描いた平和への思いも強く印象に残ることでしょう。

作・構成・演出を手がけていたジャニー氏は作品の「エターナル・プロデューサー」となりました。ジャニーズ事務所の滝沢秀明副社長(37)は「キャストはもちろん、僕たちも戦争を経験していない。だから、戦争のシーンは、ジャニーさんが生前残してくれたまま続けるのがベストだと思っています」と話していました。

帝国劇場史上最年少となる平均年齢15・5歳の出演者たちをしたがえ、メインキャストのKing&Prince平野紫耀(22)は「このショーを、小さい子たちにも僕たちを通じてずっとつないでいかなくちゃならない」と誓っていました。

たまたまタピオカドリンクの文字が目に入っただけなのですが、単純な“アイドル舞台”の枠に収まらない、さまざまな意義を感じずにはいられない現場でした。